活動日誌−伊藤けんじ

【24.12.13】下水道事業へPPPの導入を国が強制(12月議会一般質問)

PPPとは 

いま、政府は公共事業の民営化を強力に推進しています。PPPとは公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うこととされ、PFI(コンセッション化)はそれらすべてを民間が行う手法です。つまり公共サービスが企業の利潤を生みだすための営利事業になり替わることを意味します。

突如、補助金が人質に

公共事業のPPPはリスク(※詳しくは後述)も多く、市民生活に深くかかわる水道、下水道分野でそれを選択する自治体はごくわずかでした。しかし、昨年6月に国(国土交通省)は「下水道にPPPを導入しなければ、管路の更新工事の補助金をカットする」と補助金を人質にする強硬手段に出ました。
下水道は建設から半世紀以上が経過しており、老朽した管路の計画的な更新が必須です。国の補助は必要経費の1/3ほどで、これがなければ計画的な更新が進められません。

春日井市の計画にも

11月に下水道経営戦略の見直し案が示されました。そこにウォーターPPPの導入をすることが明記されました。委員会や議会の一般質問で質したところ6年間で計画している約36億円分の更新工事費用のうち13億円が補助金を見込んでおり、PPPの導入は避けることができないとのことでした。ただし、その範囲は市の裁量で決められるとのことで見極めたいとのことでした。

PPPのリスク

フランスのパリ市は、1985年に水道事業を「ヴェオリア・ウォーター」と「スエズ・エンバイロメント」に委託。パリ市の水道料金は2009年までの間に、3倍以上になってしまいました。2009年末をもって契約を終了し、2010年から水道事業を公営事業に戻しました。
一旦行政の手から離れたら、職員の技術力は低下し管理のノウハウは行政から失われてしまう。半永久的に供給が必要な公共事業を、有期限契約の企業体に払い下げれば、行政による監視は行き届かず、施設の管理が適正にされない、あるいは過剰な改修が行われる可能性がある。利用料金も値上りするばかりか、安定供給すらままならなくなる危険性もあります。

PPPの強制をやめよ

ウォーターPPPの市場を狙っているのは、ヴェオリア・ウォーターなどの国際企業です。このままでは地方自治体は国のPPP強制からは逃れようがなく、多くの自治体が混乱の中にあります。下水道の次は上水もPPPが狙われており、極めて危険なレールが敷かれようとしています。

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