活動日誌−伊藤けんじ
【24.12.13】PFAS汚染について(12月議会一般質問)
下水道汚泥が汚染されている可能性
下水処理場では、下水に含まれる汚れを、生物処理や沈殿をさせて取り除き、取り除いた汚れは下水道汚泥となります。この下水道汚泥がPFASで高濃度に汚染されている可能性があることが分かってきました。
沖縄県宜野湾市の浄化槽汚泥1キログラム当たり約10,000ngのPFASを検出したとのことです。宜野湾市の水道のPFAS濃度は春日井市より薄くここ二年間は3ng/L以下です。春日井市でも同等以上の濃度のPFASを含んでいてもおかしくありません。
下水道汚泥の処理方法によっては、このPFASがさらに環境を汚す恐れがあります。指摘されているのは下水道汚泥を原材料の一部として使っている肥料です。沖縄県下水道汚泥肥料のPFAS濃度が約4000ng/kg。佐賀県下水道汚泥肥料が約70,000ng/kgという濃度が検出されています。
本市においても下水道汚泥の一部を肥料の原料として出荷していますが、PFASについてのチェックはなされていません。PFASによって高濃度に汚染された汚泥肥料が農地で使われれば、農作物を汚染するだけでなく、土、水を汚し環境の隅々にまで汚染を拡大させる恐れがあります。
下水道汚泥のPFASの検査の実施と、その結果によっては肥料の原料としての使用を中止するよう求めました。市は現段階ではそのような対応はしないと答弁。
衛生プラントの焼却灰の調査も必要
衛生プラントでは回収した浄化槽汚泥や生し尿を最終的には焼却して、焼却灰は全量内津北山最終処分場に入れています。
環境省によれば、PFASのうちPFOSピーフォスは850度以上、PFOAピーフォアは1000度以上、推奨1100度の高温で熱処理すれば分解できるとしています。衛生プラントの燃焼温度を確認したところ800℃とのこと。燃焼温度を上げることと、焼却灰の調査を求めました。
河川のPFAS、すべての調査地点で検出
春日井市は、2年に渡り市内17カ所の水質汚濁のモニタリングポイントすべてでのPFASの調査を実施。その結果を確認しました。その結果すべての河川でPFASを検出(いずれも50ng/l以下)。成分は場所によって、PFOSがほとんどの地点や、PFOAも含む地点など状況は様々で、汚染源が複数存在している可能性が浮かび上がってきました。
継続的な河川の調査を求めたところ市は「やっていく」と答弁。ただし、汚染源の特定などについては消極的な答弁でした。