活動日誌−伊藤けんじ
【24.12.13】下水道の接続義務、合併浄化槽のお宅は外すべき(12月議会一般質−質問)
法律の定義
下水道整備区域における接続義務について、法律や言葉の定義を読み込んでいくと、すでに合併浄化槽をお使いのお宅においては、下水に接続する義務を課す必要はないと思われます。
下水道法第10条第1項に、
公共下水道の供用が開始された場合においては、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者、使用者又は占有者は、遅滞なく、その土地の「下水」を公共下水道に流入させるために必要な「排水設備」を設置しなければならない。とあります。
下水とは、一般家庭や工場、各事業所などから排出される汚水・生活雑排水と、下水管内を流れる雨水の総称。本市においては分流式下水道を整備していますので、「下水」とは汚水を意味します。
合併浄化槽から出てくるきれいな水、処理水を浄化槽法では「浄化槽から公共用水域等に放流される水」と定義しています。つまり合併浄化槽から出てくる水は下水に該当しません。
法の解釈の矛盾
春日井市の下水道のしおりには「浄化槽は1年以内に接続を」と記されています。
単に浄化槽と言っても、し尿処理だけを担う単独浄化槽と、生活雑排水すべてを処理する合併浄化槽との二種類があり、環境部においてはきちんとこれらを区別して合併浄化槽の整備を進めています。建築基準法においても合併浄化槽は仕様適合した物しか設置できないとされていますので、現存する合併浄化槽は適合しています。
下水道法の建付けでも、浄化槽法から見ても、建築基準法から見ても、合併浄化槽のお宅からは下水道に接続すべき下水は出ていません。それなのに、合併浄化槽を廃止までさせて接続の義務付けをすることは矛盾があることを指摘しました。
法の定義に穴がある 住民負担の軽減を図るべき
答弁では「下水道法10条第1項には、合併浄化槽からの放流水できなく、下水を流すための排水設備の設置を義務付けている」とのこと。
これは新たに建物を作る時には、下水の排水設備の設置を義務付けているもので、整備時にすでに合併浄化槽があることを想定していませんし、合併浄化槽を廃止して下水道への接続義務を課すことまでは、定義されていないことを指摘しました。
つまり、これは法律の定義の穴です。合併浄化槽も下水につなげというのは、惰性的な拡大解釈です。なぜ、私が接続義務にこだわるかというと、接続にはお金がかかるからです。すでに必要な投資をしているご家庭に二重の負担を強いるものだからです。
法律の穴で市民負担が生じるならば、公共下水道管理者である春日井市が規定を整備して、この矛盾は解消すべきものです。春日井市排水設備設置義務の免除に関する要綱は、市で必要な事項を定めたものです。市で変えればいいだけのこと。要綱の改定を強く求めました。