活動日誌−伊藤けんじ

【24.12.13】学校へ行けない子どもたちへの支援を(12月議会一般質問)

春日井市の不登校は1000人を超過

2023年度、全国の小中学校で30日以上欠席した不登校の状態にある子どもは、34万6482人で、11年連続で増加し過去最多を更新しています。このうち小学生が13万370人で10年前の5倍、中学生が21万6112人で10年前の2.2倍。増加傾向については本市でも同様で、2020年に555人だった不登校者数は、1028人に倍加しています。

こども家庭庁のモデル事業への立候補を求める

こども家庭庁は2025年度、地域一体で不登校の子どもを支援する体制をつくるため、約20自治体でモデル事業に取り組むことを表明しました。1自治体当たり1000万円程度を上限に補助もするとのことです。

事業の内容は、
ひとつめに、子どもや保護者からの相談を受け、関係機関につなぐコーディネーターの配置。コーディネーターは、医療機関やフリースクールなどで不登校支援に長く携わった経験を持つ人を想定。相談内容に応じて医療・福祉機関を紹介したり、民間のフリースクールとのマッチングを行う想定です。
ふたつめに、子どもが社会とつながりを持つための支援。具体的な支援メニューは、各自治体で検討とのことですが、フリースクールと連携した生活習慣や人間関係の形成、通所送迎支援などが考えられるとのこと。

春日井市における不登校相談はまずは学校か教育委員会が設置した教育支援センターにすることが前提です。その中ではあすなろ教室や全中学校に設置した登校支援室の利用にはつながるものの、医療福祉機関や民間のフリースクールとのマッチングはしていません。本市における民間フリースクールとの連携は、保護者の申し出により校長が認めた場合に出席扱いにするという程度にとどまっています。

学校へ行けない子どもたちは一人ひとり状況が異なります。初期段階で、保護者が学校とのやり取りの中で疲労困憊してしまっている例も少なくありません。学校での受け付けを基本とした対応だけでは、疲弊した親を助けることができなかったり、その子に合った居場所とのマッチングはできない場合がある、という弱点を抱えています。

そのため、学校以外の「不登校を相談できる場所や機関」を求める声も多く聞かれます。

市内においても、不登校の子どもたちに寄り添うフリースクールなどの取り組みがいくつもあるものの、春日井市の対応の中にあっては、保護者は悩んで苦しんだのちに自らで探すということをしなければ、たどり着くことができません。ここを繋ぐ役目を果たす機関の必要性を強く感じていました。

こども家庭庁のモデル事業はまさにこうした機能を目指したものです。訊けばまだ、募集は開始されていないとのことです。春日井市もモデル自治体として参加するよう求めました。

フリースクールの利用料への支援を求める

 学校へ行けない子どもたちの居場所として、民間のフリースクールを選ぶ子どもたちもいます。フリースクールはあくまでも任意の取り組みであり、介護施設や福祉事業所などのような法的な位置づけはなく、どこからの報酬も発生せず、経費は自力で賄うほかありません。

ほとんどのフリースクールは利用料を徴収して運営しています。文部科学省の調査によると、入会金の平均が53,000円、会費(授業料)の月額は平均約33,000円で、約4割の団体・施設が10,000〜30,000円としています。

運営側みれば、この利用料はスタッフの人件費、家賃や光熱水費などの物件費を払えばギリギリやれるかやれないかという程度ですが、保護者にはとても大きな負担です。子どもが学校に行かないことで親が就労できなくなる事例も多く、経済的理由でフリースクールを諦めるご家庭もあります。

私もフリースクールの運営に携わっていますが、通ってくる子どもたちの親御さんの多くが「色々な相談機関に行ったが、ここしか子どもがなじめなかった」とおっしゃられます。その子にとって唯一の居場所がフリースクールなのです。

フリースクールの利用料に対し補助を行う自治体が増えてきました。最近のトピックスは東京都が月上限2万円の補助をスタートさせたこと。このような取り組みを春日井市で実施するよう求めました。

小学校へも登校支援室を

春日井市の学校現場における不登校支援は、全中学校に登校支援室を設置する取り組みを展開しています。私はこれまでも、小学校についても学校へ行けない子どもの居場所となるような登校支援室の設置を求めてまいりましたが、心の教室相談員の常駐化で対応するとのことでした。冒頭申し上げた通り、小学生の不登校の数も増加しており、その取り組みの必要性は高まっています。小学校における居場所づくりの取り組みをもとめました。

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