活動日誌−伊藤けんじ

【22.12.13】リニア中央新幹線工事について(12月議会一般質問)

事故の調査が終わるまではナトム工事を中断すべき

 本年10月27日、JR東海のリニア中央新幹線工事の岐阜県中津川市の瀬戸トンネルで、肌落ちと呼ばれる落盤事故があり、発破後の切り刃の確認に当たっていた作業員二人が死傷しました。その後二週間を空けずして、長野県豊岡村の掘削現場でも同様の事故が起き、作業員がけがをしました。中津川市の瀬戸トンネル近くの山口工区では、2019年にも作業用トンネルの上部が崩落する事故が発生しています。

 事故を受け、JR東海は11月25日、県内でリニア工事を行う施工会社と事故防止に取り組む「安全推進協議会」の初会合を市内の工事事務所で開催しました。初会合後の取材に対し関係者は「調査中、まだお答えできることはない」と述べているように、事故の原因究明と対策の組み立てはようやく始まったばかりです。岐阜県内の4工区と長野の1つの工区の工事は現在も停止しています。

 事故が発生したのはいずれもナトム工法と呼ばれる方法で工事が実施されている場所です。ナトム工法の危険性はリニア新幹線工事に限ったことではありませんが、同じ事業で立て続けに事故が生じていることは看過できません。春日井市における工事区間でも、西尾非常口付近より岐阜方面に向かっては同じ工法で工事が実施されていますので、同様の安全対策が必要です。

 答弁により、春日井市内の工区ではすでに工事が再開されていることが分かりました。11月29日に岐阜県知事が会長を務める岐阜県内のリニア沿線の自治体で作る建設期成同盟会が、相次ぐトンネル事故を受け「再発防止策がとられるまで県内のトンネル工事を再開しないよう」JR東海に要望しました。愛知県内の工区のうち、ナトム工法で掘り進められるのは春日井市内だけです。岐阜県とは地続きの場所であり、地質的にも共通している可能性のある場所です。愛知県も足並みをそろえ岐阜県と同様の対応がなされるべきではないでしょうか。そうした動きがないのであれば、該当する春日井市から、働きかけをすべきではないかと求めましたが、市はその考えはないとのことでした。

家屋調査は部分的にのみ実施される、全線の調査を求める

 9月議会の一般質問では、家屋調査は8月の説明会で具体的に案内のなかった坂下非常口より岐阜県方面の家屋調査も実施する予定であるとの説明でしたが、春日井市内のトンネル通過予定地のすべてで実施されるものか途中までなのか範囲は言明がありませんでした。今議会の質問に対する答弁で、シールド工法で掘る範囲と判明。ナトム工法の区間は深度もあるのでリスクは少ないからとのことです。しかし、岐阜県ではナトム工法の区間で地上に及ぶ事故も発生しており、家屋調査は全面的に実施するよう求めました。

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