活動日誌−伊藤けんじ

【21.03.11】多頭飼育崩壊への対応をする(3月議会一般質問)

相談窓口の設置、どうぶつ基金の申請をする

 2020年12月に、「多頭飼育崩壊で生活が立ち行かなくなった。助けて欲しい」とのご相談がありました。県や市の窓口に相談したものの、行政は何もしてくれませんでした。「さくら猫の会」の方々のご支援を受けて問題解決に向かっています。

 市の窓口で相談を受け付ける事や、資金的支援が必要な人に対し、「どうぶつ基金」の補助の申請をするよう求め、市はいずれも「今後は対応する」と答弁しました。

質問原稿の一部。議事のやり取りは後日アップします。

 昨年12月に、議会棟に相談があると言って来訪された方がおり、お聞きしますと、賃貸マンションで、猫の多頭飼育崩壊になっていて助けて欲しいとのことでした。一年前に会社の倒産で職がなくなり経済的に苦しい中で、飼っていた猫が繁殖して何ともならなくなった。猫の数も20頭ぐらいはいると思うが数えられない。どうしたらよいかと言う内容です。

 私は2019年の6月議会の一般質問で、多頭飼育崩壊の相談についてお聞きしています。その時の答弁は「愛知県動物保護管理センターを紹介する」とのことでした。ここは現在、愛知県動物愛護センターに名称を変えています。私が、一宮市にある動物愛護センター尾張支所の場所と連絡先をお伝えしたところ、その方は「そこには、もうすでに相談した」とおっしゃられました。そして、「今はスマートホンで何でも調べられるので、支援してくれる方を自分で見つけなさい」と言われたとのことでした。とても行政の専門機関の対応とは思えません。ともかく、他に相談できる場もなく、私のところに来られたわけです。

 私は春日井市内で活動されている飼い主のいない猫の保護活動を行っている「さくら猫の会」の方に連絡を取り支援を求めました。「いま抱えている案件だけで手いっぱい」とおっしゃられましたが、無理を言ってお願いし支援に入っていただきました。その結果、相談者の自宅のマンションには、全部で33頭の猫がいることが判明。そのうち6頭のみ去勢避妊手術がされていました。対応としては、すべての猫の去勢避妊手術をしたのち、新たな飼い主を探す手立てを取ることになりました。この事案の解決のために、愛知県内の会の皆さんが、それぞれ抱えている案件の解決のために抑えていた獣医さんの手術の予約をこちらの方のために融通してくださり、対応していただきました。

 ここで、手術に係る費用の問題が発生しました。相談者は、冒頭申し上げた通り失業中で経済的困難からこの事態に至っております。春日井市が実施している「飼い主のいない猫の去勢・避妊手術費補助金交付制度」は、今回のような飼い猫には使えません。そこで、さくら猫の会の方から、「どうぶつ基金の支援が受けられないか」という提案がございました。

 どうぶつ基金は公益財団法人で、寄付されたお金を運用し、全国の地域猫の保護活動での去勢避妊手術の費用の支援をしている団体です。どうぶつ基金は、多頭飼育崩壊の解決にも取り組んでおられ、最近では島根県出雲市の182頭の犬の多頭飼育崩壊の解決のために費用を負担し、保健所と協力し犬を保護し、新たな飼い主を見つけて問題解決に至っています。

 どうぶつ基金のホームページには多頭飼育崩壊の支援については、個人や民間団体からの相談は受け付けておらず、行政を通じた相談のみ受け付けているとのことでしたので、私は春日井市の環境保全課に、「どうぶつ基金へ申し込んで欲しい」とお願いしましたが、「いろいろ調整が必要なことがあり、すぐには申し込めない」と断られました。

 結局、この相談者については、資金を相談者のご友人が負担してくれ、先月の中旬に、すべての猫の手術とワクチン接種が完了。今後、新たな飼い主を探すとのことです。

 一連の流れの中で、行政がしたことは、何一つございません。
愛知県の機関である愛知県動物愛護センターはスマートホンの使い方を教えてくれただけ。春日井市も、具体的には関わってくださいませんでした。今回のケースは、たまたま地域の人たちの助け合いとリンクし問題解決に向けて動きだす事ができましたが、一般的には、多頭飼育崩壊に至った場合、相談するところもなければ、問題解決のための手立てはないということになります。

 ペットについての責任は飼い主が負うべきだというのは大原則であり、多頭飼育崩壊に至った責任は全面的に飼い主にあります。「飼い主が悪い」のは間違いないのですが、それを責めても、起きてしまった問題は解決しません。何ともならなくて困った時にこそ、力を発揮するのが行政の役割ではないかと思います。

 そこで、
(1)相談の受付について。多頭飼育崩壊の相談を春日井市の窓口で受け付けるようにできないでしょうか。

(2)資金的な支援が必要な場合について。多頭飼育崩壊の問題解決のための資金的支援も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。それぞれご所見を伺います。

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