【19.04.08】区分地上権を設定せずリニア工事を行うの?〜リニア新幹線工事を問う〜
リニア新幹線工事は、大深度地下法に基づき工事を行う手続きが進められています。この法律は、東京、大阪、名古屋において、法が定義した以上の深さの地下を、公共事業に限り、地権者への補償が不要で利用できるというもの。県内では、春日井市坂下町四丁目地内から名古屋市中区丸の内一丁目地内までが該当します。
大深度地下法を適用しない地域がある
春日井市の坂下4丁目より先の地域(多治見方面)は、大深度地下法の適用をしません。ですから、通常の開発手続きが必要です。
区分地上権の設定が必要
民法207条において、土地所有権の範囲は「土地の所有権は、その土地の上下に及ぶ。」とされており、第三者が地下利用するには、区分地上権の設定という行為が必要です。必要があれば、補償もしなければなりません。
しかし、JR東海は、これらの地域でも区分地上権の設定をしないまま、事業を実施する意向で、土地所有者に対しての説明も行っていません。
説明会では、JR東海は、「補償の必要性がないので、このまま工事を進める」と述べていますが、「区分地上権の設定」と「補償」は別の話。補償の必要はなくとも、区分地上権設定はしなければなりません。
こうした問題に詳しい弁護士は、「地権者が区分地上権の設定を求める裁判を起こしたら、JR東海は必ず負ける。なぜ、こんなやり方で進めるのか理解できない」と述べています。
適性手続きを求める
伊藤けんじは2018年9月議会で、市民の土地所有の権利に関する手続きが、適正に行われないことを指摘し、春日井市から事業者に対し、適正な手続きを求めるよう質しました。