活動日誌−伊藤けんじ

【16.11.18】総合計画特別委員会

次期総合計画の策定状況について

 二回目の総合計画特別委員会ですが、前回は委員長の選出を行ったのみであり、実質的な内容の議論は、ここからがスタートです。

総合計画の位置づけについて

◆(伊藤建治委員) 総合計画のあり方について、今、いろんなやりとりがありましたけれども、かみ砕いて解釈をいたしますと、策定義務がなくなったという前提には、いろんな計画や施策の充足が図られてきて、必ずしも総合計画のようなものを持たなくても、行政運営上問題ないんですよという形で位置づけが変わってきたものと捉えたんですけれども、そういった認識でよろしかったでしょうか。

◎(勝企画政策課長) 決して、充足したから総合計画はいらないというロジックではなくて、一度に充足したわけではなく、じわじわ積み重ねてきた経緯がございます。そういった中、策定義務が廃止されたあとでも、公益財団法人の調査によれば、約9割を超える自治体が、引き続き総合計画を策定していくという調査結果も出ておりますので、そういうことを含めますと、やはり、自治体の行政運営においては総合的な体系のもとで全ての分野において目が届くようにしていくということが重要だと思っています。先ほどの各計画の充足と総合計画の関係について、充足したからいらないというのではないことだけ、御理解いただきたいと思います。

◆(伊藤建治委員) 重要な位置づけであることは間違いないという答弁だったと思います。逆に、充足が図られた分、もうちょっとこの総合計画についてはフリーハンドで、市民の夢だとか希望とかというものをどんどん盛り込める余地が広がったという捉え方ではどうでしょうか。

◎(勝企画政策課長) フリーハンドという御意見についてでございますが、審議会におきましては、どちらかというと今の社会経済情勢を見まして、当たり前の生活が当たり前にできるとか、そういった暮らしやすさの根幹となる部分について求めること、それを未来永劫、将来にわたって続けていきたいというお話も多くございます。市民ワークショップにおいても、そういったことを聞いております。まず、今の、当たり前の暮らしが続くということをベースにした上で、さらに個々の市民の方々の状況に応じた施策を構築していくことが求められているのではないかと私は感じております。

市民が求めているものは何か

◆(伊藤建治委員) あとで僕が言おうと思っていたことを、逆に先に言われてしまったので、思いは一致してるかなと思っております。
 策定のスタートとして、市民意識調査を行いまして、第五次総合計画の検証が行われております。その結果として、重要度のAに属する部分ですね、満足度が低いんだけれども重要度が高いところ、ここがおのずと重点になってくる。今後の方向性はここであろうということで、列挙されている部分もですね、日ごろもっと充足してほしいと思う市民の感覚と一致するため、方向性はこれで示されているものですから、どういう方向でいけということはいちいち言わなくても結果が出てるかなと思っております。それで、第五次総合計画で48の基本施策として列挙されていることについては、論点整理といいますか、方向性の整理ができるわけでございますけれども、僕はこれ以外にも、すき間といいますか、ニッチといいますか、列挙されていない分野でも領域Aに相当するような課題、重要度が高いんだけども満足度は低い課題というものがあるんじゃないかなと思っております。その拾い出しのための作業を行うのが、審議会であったり、ワークショップであろうかなと思うわけでございます。先ほど、市民参加の状況について経緯はお聞きをいたしましたけれども、この中身について何点かお伺いをしたいと思います。
 まず前段として、参加をされた方、市民ワークショップに参加された方の年齢構成だとか、男女の構成だとか、どういった方が参加されているのかということをお聞きしたいと思います。

◎(勝企画政策課長) 市民ワークショップへの参加の状況についてでございますが、地区別によって多少違いはあるところでございますが、例えばある会場におかれましては、30代の方が多かったり、60代の方が多かったりというふうに、呼びかけにもよりますが、比較的、アンケートの抽出の割合とちょっと違う状況があります。会場によってばらつきはありますが、30代の方の参加も多いのも特徴でございます。

◆(伊藤建治委員) 先ほど、多様な意見が出たとありました。その多様という部分で、特にアンケートとは違う分野での発言とか、特徴的なものがあれば教えていただきたいと思います。

◎(勝企画政策課長) アンケートとの大きな違いというのは認識しておりませんが、年齢の低い方から高齢者の方まで、ワークショップでまず一番に共通する内容が、「緑豊かで、住みやすい」という言葉です。これは地区によって違うかなと思っていたんですが、そうでもなくて、それぞれ緑のよいところをお持ちであって、人によってその緑の認識が違うというのもよくわかりました。それから、やはり交通事故が多いと、「危ないまち」ということがどこの地区でも出ております。そういう意味では、Aの領域というのを確認する形での意見をいただいていることを改めて感じておりますので、今のところ、その大きな違いを例示することができません。

総合計画と行政運営の在り方について

◆(伊藤建治委員) 「緑が豊か」というキーワードというのがちょっと意外な感じがしました。ちょっと話がそれますけれども、都市農業振興基本計画が国のほうから示されまして、市民のニーズとも合致するものかなと思いましたので、やはりこの計画を春日井市に落とし込むという作業は、しっかりしていただかなくてはと感じました。

 今後、この計画を策定していくにあたって、基本的な施策を具体的につくり込んでいかなければいけない、その視点について、意見を申し上げたいと思います。先ほど課長から言っていただいた、普通の暮らしというキーワードとほぼ同じ話なんですが、まさに普通の暮らしができるということが行政に求められている一義的なものかなと思っております。その論点整理の方法として参考として紹介したいのは、アメリカの精神学者のマズローという方が、人間の欲求が段階的に高度になっていくというメカニズムを解明しております。まず生理的な欲求、食べる、寝る、排せつをするというような生理的な欲求があって、これが満たされると次に命を脅かされないことを求めるという安全欲求が出てくる。これが満たされると、次に社会に帰属したいという社会的な欲求が出てきて、さらに発展していくと自我の欲求だとか自己実現の欲求、あるいは社会的に貢献したいという高いレベルの欲求も出てくる。

行政施策として、まず押さえていかなければならない視点というのは、この2段階めの安全欲求のレベルかなと思います。安全欲求という言葉をわかりやすくかみ砕けば、さっきの普通の暮らしができるという言葉、衣食住が充足されて、それを確保するための日常生活が滞りなくできる。具体的にいうと買い物や通院が問題なく行けるという、その社会環境を整えていくことかなと思っております。ですから、高齢者の分野を、例えば、生きがいだとか、趣味とかというものは、その上の自我とか自己実現の欲求になります。もちろんそこの政策の落とし込みも必要だと思うんですけれども、全ての年齢層に対して安全の欲求ですね、普通の暮らしができるということが反映されているかなという視点で、全ての項目について眺めていただきたいと思っております。

 その視点で見ていきますと、例えば現役世代ですね、僕ら30代、40代、50代、現役の方々というのは、特に行政施策がどうであっても、自力で普通の生活ができるわけなんですよね。そうすると、行政施策として落とし込みをしていかなければいけない部分というのは、自力でその分野が充足ができない方に、どうしても政策の矛先が向いていくと思うんです。そうなると、高齢者であったり、障がい者であったり、あるいはお子さんであったりということで、重点項目というものがおのずと見えてくるかなと思いますので、そういった方向性で、この次期総合計画の基本計画の構想というものは、優先順位をつけて組み立てていただければと思います。

小学生、市民団体の意見

◆(伊藤建治委員) 小学生の意見というのが、どんなものが出てくるのか、聞いてみたかったので、教えてください。

◎(勝企画政策課長) 小学生の意見についてでございますが、大人の市民ワークショップで出てくる意見と考えていることが結構似ていると思います。例えば、違うところといえば、にぎやかなまち、楽しいまち、例えばお祭り一つとっても「そういうことがずっと続くといいな」とか、「地区の盆踊りが楽しい」とかですね、まだこの子どもさんの行動範囲による意見の違いはありますけども、地元、生活の中での意見が出てきております。

◆(伊藤建治委員) あわせて、グループインタビュー、市民活動団体のインタビューの結果についても、御紹介いただければと思います。

◎(勝企画政策課長) グループインタビューなんですけれども、まだこれから、精力的にしていくところでございますが、現在は、中学校、高校とかの生徒会の方だとか、市民活動団体、例えば、高蔵寺ニュータウンで活動されている市民活動団体のところに伺ったときには、高蔵寺ニュータウンのことだけでなく、地域全体のことを御指摘いただく中で、市民みずからやれること、それから我々高齢者はこういうことができるなど、積極的な御意見をいただく機会に恵まれました。これから行こうとしている団体については、審議会の委員になられていない分野の方々のところを、特に注目してやっていきたいと思っております。それぞれの活動の意義について、市政、行政運営の中で、どういう接点ができるかなどの突っ込んだ話をさせてもらいたいと思うところでございます。

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