活動日誌−伊藤けんじ
【16.03.10】保育園の現場の想い ―3月議会一般質問
春日井の保育行政は優れている
春日井市は、子育て支援への取り組みに力を入れており、とりわけ保育事業には誠実に取り組んでいます。
保育需要への対応は、とかく数合わせになりがちですが、春日井市においては、公立保育園を堅持し、民間の保育園でも公立保育園と同等の保育内容が確保できるように必要な支援を行い、いずれであっても保育の質を確保する内容となっています。どの保育園であっても、差異なく安心して子どもを預けられる環境が維持できていることが、春日井市の特徴であり誇る点です。
今回、公立保育園の現場の声を議会で述べましたが、これができるのも、春日井市が公立保育園を堅持しているからです。より良い保育となることをめざす、というスタンスで質問を行いました。
保育士の待遇の改善を
現在、保育現場を支える重要なマンパワーとして、多くの臨時保育士さんにも働いていただいています。パートタイムの臨時保育士ではなく、一日7.5時間、週5日という、正規保育士とほぼ同じ、「常勤として働いている臨時保育士」さんが、230人いるとのこと。うち159人は、クラス担任も受け持っています。ちなみに正規保育士は246人とのことですから、常勤保育士の半分が臨時保育士です。
働き方、働く時間、仕事の責任どれを見ても、臨時と正規の違いはありませんが、待遇は大きく異なります。臨時保育士は一番高い方でも、一時間当たり1280円の時給のみ。ボーナスも退職金もありません。また適正に有給休暇も付与されていませんでした。一年フルに働いても230万円。常勤職員との給与の差は2〜3倍にもなります。
同一労働、同一賃金にすべきと強く求めました。
保育士の配置が減らされる
保育士の体制についても、新年度から変更があり、フリー保育士の配置が一定の条件下では減らされるのではないかとの心配の声を聞きました。
フリー保育士は、こ春日井市の保育行政の特徴で、春日井市の保育が充実していると評価できる優れた部分です。担任保育士が8人以上で1人、15人以上で2人配置され、保育士の病欠やトラブルへの対応、また保育士が研修や会議で現場を離れる際のフォローに当たっています。
入所人数が200人以上の乳児対応園で、0〜2歳児が40人を超す場合は、乳児主任保育士を配置しています。この乳児主任保育士は、これまで担任を持たないフリーの配置でしたが、新年度からは乳児主任保育士も担任を持つようになるとのことです。
障がい児対応の保育園では、障がいを持ったお子さんが3人に対して保育士が一人加配されますが、障がいを持ったお子さんの年齢が違っていても、園全体の障がい児の人数に応じた加配となっているとのことです。違う部屋にいる子どもを一人で見ることは難しく慢性的に人手が足りていない状態とのことです。
現場の声をしっかり聴いて、体制を作るように求めました。
施設が手狭になっている
保育需要のうち、年度途中の待機児童が出ているのは0〜2歳児の乳児で、次年度2016年度においては、保育園の定員の範囲内で目いっぱい0〜2歳児の受け入れを行っているとのことです。つまり、これまでよりも多く0〜2歳児を受け入れる予定の園がいくつかあるとのことです。
年少さん以上の幼児と、0〜2歳の乳児では、必要な保育設備や面積が異なります。1歳までのハイハイやよちよち歩きのお子さんのためのほふく室は、大きなお子さん用の保育室とは違い、這い回っても大丈夫なように絨毯などが敷かれ、一人当たり3.3�屬班�要な面積が確保されます。これまでよりも多くの対象乳児を受け入れる園においても、この必要な面積が確保できるものかとの懸念があります。
また、トイレについても考慮が必要です。トイレトレーニングは2歳ぐらいからスタートします。最初は乳児用の小さなトイレで安全を確保しながらのトレーニングとなりますが、この数が不足することも予想されるとのことです。とある保育園では、乳児47人に対して乳児トイレが3つしかない。乳児トイレは、上の年齢の年少さんの子どもたちも必要なケースがあるとのことで、絶対的な数が不足しているとのことです。
必要面積については、使っていなかった部屋の活用や、カーペットを広く敷くなどで対応し、トイレ不足はおまるを活用して対応するとの答弁でした。
老朽化した保育園の建て替えも含めて、施設についての検証検討を行うよう求めました。
