活動日誌−伊藤けんじ

【13.03.13】3月議会一般質問 土地開発公社について

 土地開発公社については、保有している土地の簿価額と、伴う長期借入金の額、そして、土地の使い道がないことについて問題が指摘されています。結果的に、現在大きなツケになってしまっています。

 今は粛々とツケを清算し、売れる土地は処分し、財政の負担を減らしていく作業をするしかありません。税金を使っているわけですから、その内容についての説明は必要です。そうした観点からの質問を行いました。

第二次の経営健全化計画

 今回、土地開発公社の経営状況を改善するために、五ヵ年の土地の処分の計画が作られました。この計画を作るのは二回目で、一次の計画は平成18年度からの五ヵ年で実施しました。一次の計画スタート時点では、430億を超える簿価額と350億円もの長期借入金がありましたが、計画終了段階では簿価額278億円、長期借入金210億まで圧縮させています。前回の計画終了から2年の準備期間を経て、第二次の計画が策定されることになりました。

保有地の中身は

 土公社が保有している土地について、すべてが問題のある土地ではありません。中身によっては負の遺産とも言うべきものもありますが、目的通り供用開始、事業化、あるいは予定されているものも含みますし、差損は出るものの民間売却についても積極的にアプローチしています。質問の中で、まず最初に行ったのが、どういう性質の土地がどれだけあるのかという概要を把握する作業でした。

第一次の経営健全化計画の終了時点での状況

 前回の健全化計画が終了した平成22年度末時点での保有額は278億円でした。このときの私の一般質問で示された、保有額の内訳は次の通りです。

 ○供用済みの土地が簿価額62億円
 ○民間売却が可能な土地、簿価額61億円
 ○民間に貸し付けている土地、簿価額35億円
 ○その他、「いずれかは事業化予定」とされた土地が、簿価額120億円

その後の2年で

 前計画から今計画策定まで二年が計画しており、この二年でも、

 ○市の取得28億円、
 ○民間売却24億円
 の簿価額の土地が処分されています。

第二次経営健全化計画の中身

 今回の第二次の健全化計画は、平成24年度末時点で231億円(見込み)の簿価額の土地を、
 ○市の取得で78億円、
 ○民間売却で35億円
 処分する内容です。第一次の経営健全化計画の終了時点の保有地の内容と、その後2年の推移から、今計画で市の再取得や民間売却できる規模はもっと小さくなると思っていましたので、この計画の処分予定額にはちょっと驚きました。

 今回の質問で、市の取得予定78億円の中には民間へ貸し付けているものが27億円。その他、「いずれかは事業化予定」と区分されたものの中から、10億の買戻しを予定していることが明らかになりました。そして、民間売却予定の中にも「いずれかは事業化予定」から再仕訳した10億円分が含まれています。

 つまり、第二次の経営健全化計画では、「いずれかは事業化予定」の中から合計で20億円分の処分を計画してきたのです。「いずれかは事業化予定」とされている土地は、事業化も売却も困難な土地で、土地開発公社が抱えている一番の悩みどころです。極端な言い方をすれば「何ともならない土地」です。この中から、20億円分処分する計画を作り出すのには、相当な努力があったと推察します。ここは積極的に評価したいと思いました。

 ちなみに、民間に貸し付けている土地については、前回の答弁では「起債が難しいから買戻しは困難」とのことでしたが、これについては規制が緩和されて起債ができるようになったため、市の取得計画に入れたとのことでした。

取得時の価格も追及

 今回、土公社の土地については、土地の取得価格の単価も聞いています。第二次の経営健全化計画で示された、市への買戻し計画で示された土地のうち、庁舎周辺用地の平米あたりの簿価額が異常に高いことに気が付きました。平米あたり90万円ぐらいですから、坪単価で300万円になります。

 でも、簿価額は取得金額に、長期借入金の利息の繰入金や、維持管理に要した費用も含まれていますので、簿価額のみを問題にするわけにはいきません。そこで、取得額はいくらだったのかという質問をしました。

 取得額は高いところで坪あたり180万円と言うことが分かりました。取得時はバブルの頃で土地価格も高騰していた中で取得したものです。それを考慮したとしても、ちょっと高い気がします。会計処理上の費用も合算している可能性もあり、取得額が高くなってしまった理由は分かりません。これで妥当な金額なのかもしれませんが、分からないという点が、土地開発公社での土地取得の危うさだと思いました。

いずれは土地開発公社は解散を

 土地開発公社での土地取得は、議会の議決がおよばないところで行われます。そして、過去の決済の中身について調べても分からないという部分もあります。バブルと言う時代と、都市計画を組み立てた時期とが重なったという要因はありますが、気が付いたら膨大な簿価額の塩漬けの土地と借入金を抱えることになってしまったことは、看過できません。

 同じ問題を繰り返すことは考えにくいですが、仕組みとして「危うさ」を残しているという点で、しっかりと監視が必要です。土地開発公社については、しつこく内容を把握する作業を行っていきたいと思います。

 そして、会計を明瞭にするという点でも、これからの土地取得は、土公社では行わないということを明確にしておく方が良いと思います。この点を議会ではつよく求めました。

 余談ですが、前回の質問時には、「三セク債(第三セクター等改革推進債)を使って清算を」と提案しています。三セク債の起債は平成25年度が期限ですが、私の予感では、また新規に同様の趣旨の起債を認める動きになるんじゃないかなぁと思っています。

 今回の経営健全化計画が終了した時点で、もう一度、土地開発公社の解散に向けての積極的な取り組みを提案します。

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