市内の動き−政策見解

【11.11.04】水害対応に対する要望

 台風15号による大雨で、春日井市内においても、河川の氾濫、家屋への床上床下浸水、道路冠水など、多くの浸水被害が出ました。また、避難勧告が地域住人に伝わらなかったり、避難所周辺が浸水してしまうなど、避難についても多くの混乱が生じました。日本共産党春日井市議団は、被害状況を調査し、市に対し対策を講ずるよう要望書を提出しました。
(伊藤けんじ)

再発防止、減災対策について

河川の改修について
 市内各所で河川の越水、堤防の崩落などによる被害が発生しました。崩落個所の速やかな復旧を求めます。

 また、再発防止のために、国に対して庄内川の浚渫工事の実施を求めてください。市内河川の浚渫工事を実施してください。

 雨水貯留施設の増設を求めます。

 保水能力のある田畑の保全を政策的に進めてください。

水害時の情報発信について

インターネット情報について
 テレビ等で避難勧告や水害の状況を知り、より詳細な情報を得るために、春日井市のホームページにアクセスしたものの、情報がなかったとの意見を多くの方からいただきました。対策本部が把握した情報については、ネット上でリアルタイムに閲覧できるようにしてください。

 例、○○町、JR高架下が水没で走行不可
   ○○町、内津川、○○橋付近で、河川が越水、一部道路走行不可
   ○○町、一部地域で床上浸水が発生、最寄りの避難所は○○小学校です

市民安心安全ネットワーク(メール配信)の活用について
 今回配信された内容は、各警報注意報の状況と、避難勧告の町名のみでした。より詳細な被害状況をリアルタイムに配信してください。

広報車の改善、放送設備の拡充
 今回、避難勧告地域に広報車が回りましたが、音量が小さく、雨の音にかき消されて、何を言っているのかが聞き取れなかった。一番水害がひどい場所には、広報車も入ってこれず、何の連絡も情報もなかったとの意見を伺いました。より性能の良い放送設備の架装と、架装車両の拡充を求めます。

 地域によっては、防災無線などの放送設備の配置をしてください。

 また学校などの放送設備を活用して、地域への呼びかけができるように体制の検討をしてください。

避難所について

神領小学校について
 災害時の避難所には市内小学校などが指定されており、今回の水害においても、これら避難場所が利用されました。

 しかし、庄内川のすぐ脇の神領小学校など、水害時の避難場所としては適切でない場所もありました。神領小学校の付近は深いところで腰ほどの浸水をしており、避難をするのにも困難でした。また、庄内川は守山区側で氾濫しましたが、その個所は神領小学校のちょうど対岸で、神領小学校付近も極めて危険な状態でした。

 庄内川の水位上昇とともに、神領保育園の園児は神領小学校に避難いたしましたが、避難した場所は、避難場所として指定されていた神領小学校体育館でした。体育館では、河川氾濫には対応できません。また、一部住人の方も、避難されました。後日の新聞報道によれば、神領小学校は避難場所としては閉鎖されたとのことですが、避難していた方には知らされず、保育園園児と住民の方が避難を続けました。 

 せめて、校舎の二階以上などに避難していれば、避難所としても充分な機能を発揮していたと思いますが、安全性が全く確保されない体育館に、長時間、園児と住人の方々が避難せざるを得なかった状況については、大きな問題であると感じます。

 神領小学校の避難所については、当時の対応に、いくつも問題があります。事実関係の確認と、今後の対策について検討を求めます。

避難所の拡大について
 道路が水没し、行動範囲が制限されている状況では、最寄りの指定避難所に行くことも困難な状況が生まれました。現在指定してある小学校などと併せて、中学校や高校、保育園も指定避難場所にしてください。また、商業施設などとも協定を結び、指定避難所にできるように働きかけをしてください。

避難所設備について
 避難所では外部の情報がほとんど入らず、孤立してしまう状況になりました。避難所にテレビを設置してください。

他市との連携について
 熊野町、桜佐町の多くの方々が、神領小学校に避難できなかったために、庄内川を超えて、対岸の守山区のジャスコなどの商業施設や、志段味西小学校などに自主的に避難いたしました。水害時の避難場所として、市外の施設や学校などとも連携できるように協定を結び、市民に対しても周知してください。

安全確保、被災者支援等について

小中学校の下校について
 北城小学校や、神領小学校など一部学校では、児童を保護者の送迎による下校にする対応をいたしましたが、児童をそのまま帰宅させた学校もありました。多治見市では下校途中の児童が流され犠牲になるなど、水害発生時の下校対応は、大きな課題です。洪水警報発令時などにおいては、各学校において児童の安全確保ができるように徹底してください。

土嚢の事前配布について
 土嚢の配布は水害発生時に、市民の通報があった場所に市職員が運ぶことを基本としています。しかし、水害発生時には同時多発的に通報が相次ぎ、必要な時に必要な土嚢が確保できないという事態が発生します。大雨が予想されるときには、役所に取りに行けば土嚢がもらえるなど、事前に土嚢を確保できるようにしてください。

防災倉庫について
 また、防災倉庫の所在を住民が知らず、自分たちで、ビニル袋等で対応した事例もありました。また、小学校のグランドに設置してある防災倉庫で、グランドに遊水機能を設けてあるために、防災倉庫周辺が水没し、利用が困難だった事例もあったと聞きました。
防災倉庫の設置場所の見直し、防災倉庫の増設をしてください。

高蔵寺駅について
 北側入り口に止水板など、浸水をさせないための設備の設置によって、浸水被害は食い止めることができたと考えられます。対応を願います。

道路等の浸水個所について
 市内道路各所で冠水が見られました。たびたび浸水する場所もあります。冠水状況の実況の把握と抜本対策を願います。

 JR高架下など、浸水が予想される場所については、自動で作動する警告灯など、浸水状況を知らせる設備の設置を求めます。

 市道上に設置されたマンホール(雨水)の蓋が、水圧で浮き上がり外れたところがあります。(Ex.岩成台10丁目) すべてのマンホールの蓋について、固定をしてください。

被災者の支援について
 床上床下浸水、家屋設備の被害など、多くの被害が発生しています。浸水被害の実態把握と原因究明、抜本対策を求めます。

 春日井市においては床上浸水に対する見舞金や、まだ固定資産税の免除などの対応を取っていただいていますが、床上浸水の被害などは、復旧に数十万円もの費用がかかるケースもあります。場所によっては、何度もその被害に遭っている地域もあります。これら被害に対して、より充実した支援を求めます。
 
 また、被災で発生したゴミの搬出などの災害復旧を、被災者のみで行っています。高齢者や障がい者世帯などに対し、職員や地域ボランティアなどの支援ができるように体制を確立してください。

市職員の確保について
 今回のような災害時に、力を発揮するのが市職員です。春日井市は一貫して職員の削減を行っており、今回のような災害時に、充分な対応ができない事態を招いています。床上浸水が発生し、市役所に電話したが「手が回らないので自分たちで対応してほしい」と言われたという町内会もありました。
 また、被災後のゴミの撤去については、清掃の職員が当たっています。現業職も含めて、市職員をしっかり確保することは災害対応の面からみても必要なことです。現業職の退職者不補充や、一般事務職員の削減、一部業務の委託化などの、一連の職員配置については、抜本的な見直しを求めます。

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る
RSSフィード(更新情報)