活動日誌−伊藤けんじ議員団より

【20.04.02】不登校対策の取り組み拡充、「登校支援室」(3月議会報告)

 不登校の児童生徒への支援施策が前進です。4月より、市内の中学校3校(石尾台、藤山台、東部)に登校支援室を設置します。これまで春日井市の不登校対策は、中央公民館に設置した適応指導教室「あすなろ教室」を運営するのみでした。

適応指導教室一か所では全く足りない

 2018年度の不登校児童生徒数は545人であるのに対し、「あすなろ教室」の利用はわずかに21人のみ。「不登校に至った大半の子どもたちが、何の対応もされないままになっている。不登校児童生徒への支援の取り組みが全く足りていない。」と指摘し、拡充が必要であることを訴え続けてきました。

文部科学省の適応指導教室の位置づけは「学校復帰が前提ではない」

 12月議会の一般質問では、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日における、不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方に沿った取り組みをするように求めました。

 通知では、適応指導教室の位置づけは、学校復帰が前提ではなくなっています。不登校を「問題行動」と判断してはならない。不登校児童が悪いという根強い偏見を払拭し、寄り添わなければならない。「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるとし、適応指導教室を、学校に行けない子どもたちの居場所として位置付けています。

 また、不登校対策は、その子その子に応じた対応をすべきで、相談から対応までを総合的に行う専門機関が大きな役割を発揮します。その役割を担う「教育支援センター」の設置の必要性を指摘しています。

適応指導教室の運用の見直し、拡充を求める

 春日井市においても、学校復帰を前提とした適応指導教室「あすなろ教室」の運用の見直しや、取り組みの拡充をすべきだと求めました。

 答弁は、
「適応指導教室は、今後は運用の仕方について検討していきたい。」
「不登校の状況は多様なことから、個々の状況に応じるために多様な支援策が必要であると考えている。現在検討している新たな不登校対策において、家庭引きこもりなどの重症化防止の視点、適切な時期に教育支援をつなぐ居場所としての視点など、支援の選択肢をふやす方向で進める。」
「多様な不登校の状況と背景により、その支援策もさまざまである現状を踏まえ、1カ所で必要な情報を得て、適切な相談や支援につながる包括的な不登校支援を担う窓口の設置については、新たに研究する必要がある。」と、前向きで踏み込んだ内容でした。新年度から実施する登校支援室は、この具体化の一部です。

新たに設置する「登校支援室」について

 3月5日の文教経済委員会では、「登校支援室は、まだ学校に足が向いている生徒への初期対応を重点的に実施するために設置する。登校支援室の設置により、友人関係のもつれや学業の遅れなどで教室に行きづらくなってしまった生徒たちが、安心して過ごし再び前向きな気持ちを取り戻すための、支援機能を備えた一時的な避難場所として活用することで、不登校にならず結果的に不登校が減少すると考えている」と説明がありました。
 今までの適応指導教室より、幅広く子どもたちの居場所として機能することが期待されます。

更に拡充が必要

 拡充したとはいえ、市内500人を超える不登校に対する施策としては、まだまだ足りていません。発達障がいなどで、学校には行けないものの、「勉強したい」という学習意欲のあるお子さんも沢山います。不登校の子どもたちに対する学習支援の取り組みも必要です。さらなる不登校支援の拡充に向けて、引き続き働きかけを行っていきます。

 不登校に関するご相談、ご意見ご要望等がございましたら、お気軽にお寄せいただきますようお願いします。

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