活動日誌−伊藤けんじ

【19.07.01】イノシシ対策、猟友会への委託料や報奨金の拡充を(6月議会一般質問)

増加の一途のイノシシ、増える猟友会の負担

 春日井市内におけるイノシシの捕獲頭数は、2016年32頭、2017年56頭、2018年138頭と、年々、しかも急速に増加し続けています。農業被害だけでなく、住宅街、生活道路など、私たちの日常生活の空間での目撃も相次ぎ、不安を抱えている人も多くいます。

 イノシシの対応を一手に引き受けていただいているのが、春日井猟友会の皆さんです。委託契約を結び、捕獲用の箱わなの維持管理として年間約150万円、そしてイノシシが捕獲された場合、一頭ごとの処分の報奨金として1万円という額で、担っていただいています。

 イノシシが捕獲できるように、わなの維持管理するのには、大変な手間暇がかかります。ただエサを置けばいいというような簡単なものではありません。わなの中が、居心地良いように、3日ごとに敷いてあるおがくずを入れ替え、雨の多い夏場は、雨が振り込まないように屋根を付ける。設置してある場所は山の中ですので、そこへのアクセスも大変。

 そして、ひとたびイノシシがかかると、5人、6人がかりでの作業が必要になる。100キログラム、150キログラムという大きさのイノシシが捕獲されますので、解体して、トラックに載せるだけで半日から一日がかりの大仕事。

 ここに、昨今問題になっている豚コレラの発生により、事態は激変し、猟友会の皆さんのご負担は一気に増えました。

 昨年度までは、箱わなを17基設置し、運用してきましたが、県の方から箱わなをもっと増やせと、4基が追加されました。さらにもっと増やせと言われて、自前でも6基追加。その後、担い手が辞められ、運用しているわなは少し減らしたそうですが、以前よりも多いわなを取り扱っているとのことです。

 豚コレラのワクチンの散布が始まると、今度はわなの扉を一旦、閉じろという指示が、県から入りました。一つ閉めると2000円の補助が出るとのことですが、重い鉄の扉を閉めるのは3人がかり。山の中に3人で出かけて行って行う作業に対する補助としては、見合ったものではありません。

 そして、豚コレラの対策として、捕獲されたイノシシから、血液を採取し、チルドのゆうパックで、県に送るという作業も委託されました。暑い中、感染予防の防護服を着て、血まみれになって行う作業となります。一頭につき6000円の報奨金だそうです。

 豚コレラの蔓延により、箱わな以外でも、死んだイノシシが発見されるようになりましたが、イノシシの捕獲の報奨金1万円が出るのは、農業の有害鳥獣駆除の場合のみです。このイノシシの処分は、報奨金の対象になりません。

委託料の増額が必要

 春日井市が猟友会に支払っている報奨金約150万円は、17基の箱わなを運用することを想定した額で、実態に見合っていません。この額の増額を求めました。

 イノシシの処分、一頭当たりの報奨金は、春日井市は独自の上乗せをして1万円としていますが、作業内容に見合ったものではなく、これについても増額を求めました。

報奨金の上乗せが実現

 答弁は「猟友会の活動や他市の状況もふまえ検討する」と前向きな内容でした。また、一年限りですが、県がイノシシ1頭当たりの報奨金に1万3千円の上乗せをすることも決まりました。

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