活動日誌−伊藤けんじ

【17.06.28】保育園、手狭な施設、保育士の人手不足について 6月議会一般質問

臨時保育士の処遇改善は前進

 保育行政について、多項目に渡り質問をいたしました。

 保育園は民間と公立合わせて230人受け入れを増やしました。公立は保育園の新増設のないまま、190人の受け入れ増。乳児のトイレが足りず、おまるで対応している園もあり、施設拡充が必要です。市は公共施設等マネジメント計画の中で、方向性を検討するとのことですが、適切な整備を求めていきます。

特別支援保育、違う部屋でも一人で
 発達に遅れがある子どもを受け入れる特別支援保育を19園で実施。これは春日井市の保育の優れている点で、255人を受け入れています。対象児童3人に保育士が一人配置されますが、担当する3人のお子さんが、クラスや年齢をまたがっている園が、10園あり改善を求めました。

年収169万円の差
 公立保育園では、正規雇用保育士445人に対し、ほぼ同じ時間を働くフルタイムの臨時保育士が189人います。
ほとんどが担任を持つなど責任ある仕事を任されていますが、昇給も一時金も退職金もなく、10年働いた場合、正規との年収の差は169万円にもなります。

処遇改善を検討
 同一労働賃金を目指すべきとの伊藤けんじの質問に対し、「法改正により期末手当の支給ができるようになった。処遇改善を検討する」との答弁がありました。

議事の概要

◆23番(伊藤建治君)  春日井市の保育行政は,公立保育園を堅持し,民間の保育園でも公立保育園と同等の保育内容が確保できるように必要な支援を行い,いずれであっても保育の質を確保し,どの保育園であっても差異なく安心して子供を預けられる環境の確保に努力しています。質問の中でも述べますが,フリー保育士の配置や特別支援児の受け入れなど,春日井市独自のスタイルも確立し,保育の質という点でも高いレベルが維持されています。保育にかかわってきた多くの方々によって春日井市の保育が守られ,発展していることに敬意をあらわすものでございます。
 それでは,質問の内容に移ります。(1)の受け入れ人数について。
 今年度の当初予算の歳入における保育所保育料は,前年度予算比で1億2,300万円の増額でした。これは保育園の受け入れ見込み人数を予算比で230人ふやしたことによるもの,内訳公立保育園分は9,300万円で,190人の受け入れ人数の増とのことでした。年々高まる保育需要に対しさまざまに対応して入所人数の増加につながっているものと受けとめていますが,内容の詳細を把握したく,過去3年における受け入れ人数の推移についての説明を求めます。人数についてはゼロから2歳児と3歳児以上の幼児,公立,私立という内訳もあわせて答弁を願います。
 (2)保育施設について。
 公立保育園については,施設整備が行われていない中での今回の190人の受け入れ人数の拡大です。これについて予算編成時には保育園,保育士の増員など,保育環境の一層の充実を図ることで入所見込み数の増加を図ったとの説明がありました。施設については言及がありませんでした。私は昨年,2016年3月議会の一般質問において,保育行政については手狭になっている保育園の状況についてお聞きしていますが,今回,特段の施設整備をせずに受け入れをふやしていますので,さらに手狭になっているのではないかという心配をしています。
 保育園については施設基準が設けられています。これまでも施設基準に基づいて受け入れ人数が決められてきたかと思いますが,これだけ受け入れ人数をふやしても基準を満たしているのかどうか,どのように受け入れ人数を算定したのかお伺いをいたします。
 (3)保育士の配置状況について。
 公立保育園については担任を持たないフリーの保育士が配置されています。担任保育士が8人以上で1人,15人以上で2人配置され,保育士の病欠やトラブルへの対応,また保育士が研修や会議で現場を離れる際のフォローに当たっています。昨年度,乳児主任保育士はそれまでフリーの配置であったものが担任を持つことになりました。これによりフリー配置の保育士が,現場で減員となることを心配していましたが,現状どうなっているのかお伺いをいたします。
 春日井市では,特別支援保育を実施しています。心身に発達のおくれがある1から3年保育の児童が保育園での集団生活をすることにより,成長が促されることを願い実施しているとのことです。春日井市のこの取り組みは先進的ですぐれている部分です。福祉施策というものは,例えば要介護度とか何級の手帳とか,障がいの程度の判定がされて初めて支援が受けられる枠組みがほとんどですが,春日井市の保育園においては,発達の程度の個人差が大きい乳児,幼児期であることも考慮し,療育手帳の有無にかかわらず,支援が必要であるかどうかで判断し,対象児童3人につき1人の保育士を加配しています。特別支援保育の受け入れ人数と保育士の配置状況についてお伺いいたします。
 (4)臨時保育士(非常勤保育士)の雇用条件について。
 春日井市の保育園を支えるマンパワーとして,非正規雇用であります臨時保育士さんにも働いていただいています。昨年の質問時点においては1日に7.5時間,週5日,正規の保育士とほぼ同じ勤務となっている臨時保育士は230人おられ,正規職員と余り変わらない規模の人数でした。この230人の常勤の臨時保育士のうち,159人がクラス担任を受け持っているとのことでした。今年度における状況について,所管説明でも若干の報告がありましたが,改めて正規保育士,臨時保育士の配置状況,また臨時保育士について,担任など受け持っている方の人数など,その詳細を伺います。
 臨時保育士であっても,正規の職員とほぼ同じ勤務,担任を持つなど責任も持たされているにもかかわらず,雇用条件については余りに違います。臨時保育士さんにはボーナスも退職金もありません。実際にどれぐらいの違いがあるのか,同じような条件でのモデルでの数字を示してください。
 (5)アレルギー食の対応について。
 アレルギーを持つ園児の除去食の対応についてです。2010年9月議会の私の一般質問で,誤食の事故について質問をいたしました。アレルギー対応が必要な子供にアレルギーの原因の食材を除去していない料理を食べさせてしまったり,他の子供のミルクを飲ませてしまう事故が,その年,4月以降の半年間で7園で12件発生しているとの答弁があり,再発防止を求めました。その後,このような事故の発生状況についてはどうなっているのか,お伺いをいたします。

◎青少年子ども部長(大塚淳弘君) それでは,私からは大項目1,保育行政についてのうち,小項目4を除いた部分と,大項目2,子どもの家についての御質問に順次お答えいたします。
 まず,大項目1の保育行政についての1点目の受け入れ人数についてでございますが,過去3年の4月1日における保育園の受け入れ人数につきましては,平成27年度は5,645人で,ゼロから2歳児までの低年齢児が公立1,075人,私立484人,計1,559人,3歳以上の幼児が公立3,069人,私立1,017人,計4,086人となります。平成28年度は5,979人で,低年齢児が公立1,237人,私立588人,計1,825人,幼児が公立3,143人,私立1,011人,計4,154人となります。平成29年度は5,994人で,低年齢児が公立1,254人,私立709人,計1,963人,幼児が公立3,047人,私立984人,計4,031人となっております。
 次に,2点目の保育施設の定員についてでございますが,公立保育園の定員につきましては,より多くの児童を受け入れるため,現有施設において国の定める基準の中で,保育室等を最も有効に活用した場合に受け入れできる人数に改めたものでございます。
 3点目の保育士の配置状況につきましては,昨年度多くの入園希望者を受け入れるため,担当への配置がえを行ったフリーの保育士につきましては,今年度当初から従来の配置に戻したところでございます。
 また,特別支援保育を実施する19園の年齢別受け入れ人数につきましては,4月1日現在で3歳児が68人,4歳児が87人,5歳児が100人,合計255人となっております。特別支援保育を実施する園のうち公立保育園16園の支援児を担当する保育士の数は,4月1日現在100人となり,そのうち正規職員は主任保育士16人と加配保育士23人の計39人,臨時保育士は加配保育士の61人となっております。
 5点目のアレルギー食の対応についてでございますが,誤食の発生件数につきましては,保育園では対応を徹底するため,家庭では少量摂取している食材や持参食材も含めて対象にしており,平成23年度が12件,24年度が10件,25年度が18件,平成26年度が22件,平成27年度が16件,平成28年度が22件となっております。幸いにも重大事に至った事例はございませんでした。

◆23番(伊藤建治君) ここからは一問一答で進めます。
 まず,最初の質問事項,保育事業についてです。
 (1)の2回目,受け入れ人数についてです。人数の推移についてですけれども,幼児については公立も民間もほぼ横ばいで推移。ゼロから2歳児の乳児が合わせて400人ほど増加し,公立についても約200人の増加という答弁でございました。公立保育園でも平成28年度からゼロから2歳児の受け入れを拡大したということだったんですけれども,この200人という数字がその中身だということがわかりました。私は,小規模保育事業などの整備によって,入所人員の増加部分というのは,小規模とか民間の受け入れ部分がほとんど吸収していると想像していたんですけれども,公立の受け入れもかなり多かったんだということがわかりました。
 それを踏まえまして,(2)の2回目,保育施設についてでございます。国の基準の範囲内で保育室等を有効活用した場合に受け入れ可能となる人数に改めたということでございます。国の基準では保育室,乳児室,屋外遊戯場について,1人当たりの面積の基準が設けられています。この面積の換算についての見直しを行ったというふうに受けとめました。面積換算の分母となります床面積の考え方については確認をしたいと思います。以前,大手保育園においては保育室が足りずにホールでも保育を行っていました。今回の定員見直しに当たって,面積換算の分母として,この床面積は各保育室で確保されているものなのか,ホールなどの床面積も含めているのかという点,答弁を求めます。
 加えて,大手保育園のホール保育はどうなったのか。あるいはほかの園において,ホール保育は行われている実態はないかお尋ねをいたします。
 そして,保育施設については,昨年の一般質問において,乳児47人に対して,乳児トイレが3つしかないというトイレ不足の話もいたしました。おまるで対応しているという答弁だったんですけれども,こちらについても,その後どうであるのか,実態をお尋ねいたします。

◎青少年子ども部長(大塚淳弘君) 低年齢児における保育室及びほふく室につきましては,部屋ごとに基準となる必要面積を確保しております。
 また,幼児につきましては,保育室に遊戯室も含めた床面積で必要面積を確保しております。
 保育室として遊戯室を使用しておりました2園につきましては,平成23年度末で解消しております。
 また,乳児用トイレにつきましては,おまるの使用や利用方法を工夫することで,現在のところ使用に問題はないと考えておりますが,生活スタイルの変化に対応するため,今年度全ての乳児用便器を洋式に取りかえる工事を進めているところでございます。

◆23番(伊藤建治君) (2)の3回目です。床面積についてはホールも含めて1人当たりの面積の基準に合致させている。トイレ不足については,整備はしているけれども,現状で問題はないという答弁でございました。ですが,私のお聞きした範囲では,トイレについては,特に乳児のトイレは絶対的に少ないという声があります。トイレトレーニングの子供に対して,トイレが足りないということは保育にも支障が出ますし,子供たちの発達という点でも余りいい影響ではないかと思います。あるいは衛生面でも。そこにかかわる保育士さんの手間暇も考えれば,現状から改善するようにしていただければと思っております。
 そして,保育施設が国基準には合致させているというのは当然なんですけれども,トイレに代表されますように,やはり手狭になっている園,使い勝手が悪い園,老朽化している園がございます。これらについては,やはり再整備が必要かなと思います。一旦中断している保育園の建てかえ事業にも取り組むべきと考えますけれども,当局のお考えをお伺いいたします。

◎青少年子ども部長(大塚淳弘君) 保育園の建てかえにつきましては,平成20年度の勝川北部保育園から24年度の神領保育園までの保育園整備計画を定め,5園の建てかえを計画的に進めてまいりましたが,今後につきましては,今年度から実施いたします公共施設等マネジメント計画に基づく調査結果や,将来的な保育需要,民間事業者による保育園等の整備動向などを総合的に勘案いたしまして方向性を検討してまいります。

◆23番(伊藤建治君) (3)保育士の配置状況についての2回目です。
 フリー保育士の配置については従来の配置に戻したということで,昨年度当初に心配していたことというのは解消したと理解いたしました。
 特別支援保育の受け入れ状況については,255人の対象児童を受け入れて,公立保育園では100人の担当保育士を配置しているということでした。この担当保育士の配置というのが,対象児童3人に対して1人の保育士の配置と伺っています。以前にも述べたことなんですけれども,この3人に1人の配置という点,年齢が違ったり,あるいはクラスが違う場合でも3人に1人の配置と聞いております。同じ場所にいるのであれば3対1の配置で対応できるにしても,別の部屋にいる子供までは対応ができません。1人の特別支援の担当保育士がクラスをまたいで,あるいは年齢をまたいでの配置となっているケースはどれぐらいあるのか。そうした場合にどのように現場では対応しているのかという点についてお伺いをいたします。

◎青少年子ども部長(大塚淳弘君) クラスや年齢をまたいで加配保育士を配置する園は,現在のところ10園でございます。
 また,対応につきましては,本市では支援児が他の児童と一緒に活動する統合保育を進めておりまして,支援児一人一人必要な支援に違いがありますが,加配保育士だけでなくクラス担任を初め主任保育士やフリー保育士と連携いたしまして,活動内容や支援児の状況に応じた保育を行っております。

◆23番(伊藤建治君) 3の3回目になります。主任保育士やフリー保育士と連携して対応しているということでした。子供の発達は一人一人異なっていますので,必要な支援も,その事例ごとに違ってまいります。現場の声をよく聞き取っていただいて,支援を求める現場には適切なフォローをしていただきたいと思います。
 それと,担当児童がクラスや学年をまたぐという配置基準については,そもそもがやはり無理があるんじゃないかなと思いまして,配置基準の見直しも必要だと思いますが,どうお考えかということを答弁を求めたいと思います。
 そして,もう1点,今まで話をしてきましたのは主に公立保育園についてでございますが,私立の保育園についてはさらに条件が厳しいという話も伺っております。公立保育園に配置されているフリーの保育士のような枠組み,私立の保育園にはなく,仮に配置をしようとすると園の持ち出し費用になると。私立保育園であってもフリー保育士の配置が必要な場合もあろうかと思います。特に私立においても特別支援保育を実施していただいているところもありますし,私立保育園において,公立保育園と同じようなフリー保育士の配置をした場合には,人件費補助が必要ではないかと考えますが,御所見を伺います。

◎青少年子ども部長(大塚淳弘君) 特別支援保育実施園では,加配保育士とは別に特別支援児担当の主任保育士を1名配置しております。先ほどお答えしましたとおり,今後もクラス担任やフリー保育士と連携して保育を行ってまいりたいと考えております。
 また,私立保育園には従来から公立保育園と同様の保育を実施できるよう,財源の手当を行っており,私立保育園の特徴を生かす中で,フリー保育士の配置なども検討されるものと考えております。

◆23番(伊藤建治君) (4)の2回目です。臨時保育士,非常勤保育士の雇用条件についてでございます。年収ベースでの比較について具体的な答弁がありました。5年目での比較での御答弁でございましたけれども,仮に10年,卒業後経験年数10年で比較をすると幾らぐらいの差になるのかというのは,お手元に数字がございますでしょうか。

◎総務部長(福慶達男君) 臨時職員で資格取得4年以上の場合というのは237万円でございます。仮に正規で10年目との比較をしますと,約406万円ですので,約169万円の差額となります。

◆23番(伊藤建治君) 答弁にもありましたように,臨時保育士さんの給料というのは一定年数を経過しますと上がっていかない。その点も正規職員との違いが出てくると。10年,働き盛りの方で,年収ベースで169万円の差があるというのは,非常に大きいなというふうに思いました。今答弁のあった中身というのは,例えば扶養手当でありますとか,残業手当とか諸手当含まない数字ですので,実際の差というのはもっとあろうかというふうに思います。
 先ほども述べましたけれども,フルタイムの臨時保育士さんの任務についても,担任を持っている方がほとんど,特別支援の対応などに当たっている方もいらっしゃるということで,賃金的な身分では臨時という立場でありながら,補助員的ではなくて本当に責任のある仕事,重要な仕事を任されているということがよくわかるわけでございます。であるとすると,この賃金差というのは余りに大き過ぎますね。その解消が求められるものでございます。昨年も同じ質問をいたしましたけれども,処遇改善に取り組むつもりはないのか,考えをお伺いいたします。

◎総務部長(福慶達男君) 臨時職員などの非常勤職員の処遇につきましては,地方公務員法及び地方自治法が一部改正されたことによりまして,一般職の非常勤職員である会計年度任用職員の制度が新たに創設をされたところでございます。この趣旨といたしましては,同一労働,同一賃金の観点からということでございまして,期末手当の支給が可能となりました。本市といたしましても法改正に伴う他市の動向を注視するとともに,非常勤職員の任用制度の見直しの中で,臨時職員の処遇に関しましても検討してまいります。

◆23番(伊藤建治君) (5)アレルギー食の対応についての2回目に移ります。
 アレルギー食対応の児童に対する誤食事故についてでございます。発生状況についての答弁がありました。大事に至らなかったとはいえ,間違えば命にかかわる事故ですので,毎年2けたでの発生,直近,平成28年では22件と,これはちょっと看過できない数字かなというふうに思います。以前,質問した際には,今後こういった事故はきっと減っていくだろうというふうに思っておりましたので,ちょっとこの数字はしっかりと受けとめなければならないかなというふうに思います。
 事故の内容についてちょっとお伺いしたいんですけれども,事故になるケースとして幾つかパターンが考えられます。アレルギー食の対応の子供が,隣の子供の食事に手を伸ばして食べてしまうというケースだとか,あるいは調理や配膳において間違えるケース,もしくは事前の保護者の献立チェックにおいて,チェック漏れによって提供されてしまうケースと,考えられるのはこの3つぐらいかなと思うんですけれども,事故の発生原因についての詳細と今後の発生防止,事故防止の取り組みについて答弁を求めます。

◎青少年子ども部長(大塚淳弘君) 誤食の多くは,食物アレルギーのある児童の情報について,保護者と保育士の間,または職員間においての確認や連携不足が原因で発生しております。各保育園では保護者との面談で家庭での対応状況や医師の指示内容などの把握に努めるとともに,調理から配膳,食事の提供までに二重,三重のチェック体制をとることを徹底しております。
 また,誤食に対し,職員一人一人が自覚と責任を持って行動するよう指導してまいりましたが,これを改めて徹底するとともに,28年度末から対象児童には全園で専用のトレーを使用し,一目でわかるよう食器の色を変えるなど,注意喚起につながる取り組みを導入しております。

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る
RSSフィード(更新情報)