活動日誌−伊藤けんじ

【17.06.28】農用地に圃場整備を 6月議会一般質問

農地の保全のために必要な事

 春日井市内の農地は減少の一途をたどっています。今回は、農地の中でも最も重要な位置づけである「農用地」についての質問を行いました。農用地は、農業上の利用を確保すべき土地として指定された土地であり、優良な農地であることが前提です。

 市内の農用地の多くでは、土地改良事業(農地の区画整理で、土地の形状を整えたり、圃場を整備すること)が実施されていますが、一部については未実施で使い勝手が悪い状況です。耕作者の高齢化が進み、担い手が不足してくると、使い勝手の悪い個所から不耕作が生じます。農用地の保全のために、農道などの圃場整備を行うように求めました。

 答弁は大変前向きで、土地所有者の合意形成がされれば、補助メニュー等を活用して整備を行いたいとのことでした。

議事の概要

◆23番(伊藤建治君) 春日井市内の農地は減少の一途をたどっており,その流れに歯どめがかかりません。昨年9月議会の一般質問で,都市農業振興基本計画についてお伺いした際,春日井市内の農地の推移について,市街化調整区域の農地は1993年973ヘクタールであったものが,2016年693ヘクタールへと3割減,市街化区域における農地については,601ヘクタールが214ヘクタールとこちら7割減という数字が明らかになりました。程度の差こそあれ,市街化区域でも調整区域でも農地の減少は続いており,その条件に合った手だてが必要です。その中でも今回は農用地についての質問をいたします。
 私はこれまで農業政策についてはたびたび取り上げてきましたが,農用地については余り話題にしてきませんでした。農用地とはどういう土地か。市街化調整区域において,県が指定している農業振興地域,これは実質的には市街化調整区域内のほとんどの農地が対象となっていますが,さらにその中でも長期にわたって農業上の利用を確保すべき土地として指定された土地が農用地区域でございます。かつて私は,農地の減少は農用地以外で起きているということも述べたことがありましたが,農用地は保全が大前提,農地の中でも最上位の位置づけで,農地利用こそが推進されるべき土地です。しかしながら,昨今においては農用地についても指定の解除,転用される事例が出てきており,伴いまして面積もじわじわと減少してきています。農地法や都市計画法などで進められてきた計画的な土地利用における農用地の位置づけ,農業振興の前提が壊れつつあると危惧をしております。
 そこで,(1)農用地の面積の推移について,これまでの推移の状況と今後の見通しについて,当局の見解をお伺いいたします。
 農用地の多くは土地改良事業により不整形地が修正され,効率よく耕作ができる圃場として整備されたり,必要な通路,水路が確保され,農地利用のための利便性の向上が図られていますが,春日井市内の一部農用地については土地改良が行われておらず,使い勝手が悪いままの状態です。具体的には,庄名町,小木田町,あるいは細野町の農用地がそのような状態です。
 このうち庄名町の農用地区域に土地をお持ちの方から,せめて車が入れるぐらい,農業機械がスムーズに持ち込めるような整備をしてもらえないかという話を伺い,その方の案内で現地を見に行きました。庄名地区区画整理によって引かれた幹線道路の西に位置する地域で,私は付近をふだんから通行するものの,農地の中までは足を運んだことがありませんでした。外からはわかりにくかったのですが,極めて良好な農地が一団に広がっており,美しい光景に息をのみました。きれいに整えられたあぜ,見るからに柔らかそうで肥えた土,長い間,丁寧に耕作が行われてきたことがうかがえました。
 かつて私は,親や祖父母から,田植えの時期には水の取り合いになるのだと聞かされたことがありましたが,庄名の農用地は水の流れも効率的に考えられており,わずかに少しずつ高低差が設けられ,隅々まで水が届く構造になっていました。土地改良が入れられてないおかげで,その風景は失われつつある日本の原風景の風情でもありましたが,中には通路に面していない農地もあるなど,使い勝手という点ではもう少し手当てが必要とのこと,それが先ほど申し上げた車や農業機械を入れられるようにしてほしいという御要望でした。先祖から預かった大事な土地なので,丁寧に耕作はしたいけれども,農家もどんどん高齢化になるし,後継者もままならん。しかし,通路などが確保されて使い勝手のよい圃場となれば,田植えや稲刈りなど大きな機械でやれることは農協などに頼むことができる。少しぐらいの通路の確保のため,土地は出し合っても構わないので,通路の確保などの整備をしてほしいとの訴えでした。
 そこで,(2)土地改良が行われていない農用地の通路や圃場の整備についてです。
 農用地は,先ほども申し上げましたとおり農業上の利用を確保すべき土地で,そのために必要な整備をする施策が必要です。春日井市の施策についてお伺いをいたします。

◎産業部長(石黒直樹君) 私からは,農業政策について,2点の御質問に順次お答えいたします。
 初めに,市内の農用地区域の面積につきましては,平成19年3月31日現在で240ヘクタールでありましたが,平成29年3月31日現在では230ヘクタールとなっており,10年間で10ヘクタール減少しております。
 また,今後の農用地区域の面積の推移につきましては,本市の新型市民農園の整備が約3.4ヘクタール,JR東海の西尾町地内におけるリニア保守基地の建設が約3.7ヘクタールなど,農用地区域の減少が予想されます。
 2点目の農用地区域内の通路や圃場の整備につきましては,農地の効率的利用の促進や担い手への農地の集積,集約化につながる手法であり,整備区域の面積によってさまざまな施策が考えられます。整備に当たりましては,地権者や周辺の地元住民の合意形成が前提となりますが,小規模な区域の場合には,春日井市土地改良事業補助金交付規程に基づく補助金制度を,また,おおむね5ヘクタール以上の場合には,愛知県土地改良事業等補助金交付要綱に基づきます基盤整備促進事業などを活用いただくことにより,工事費などに対する補助を受けることができます。

◆23番(伊藤建治君) (1)農用地の面積の推移についてでございます。
 農用地といいますのは,政策的に農地利用が図られるべき土地でありながら,歯どめなく転用されているという現状が非常に残念でございます。しかも,今後についてはリニアの保守基地でありますとか,新型市民農園整備でさらに減少するであろうということ。この新型市民農園は,これまでも示されたとおり都市計画法に基づいて行う公園整備でございます。農用地とは本来どういう土地であるかという原点に立ち返れば,行政は農業振興,農地の確保のための施策を打つべきところ,公園整備はなじまないと感じますけれども,これについてはまた別の機会に議論いたします。(1)については以上でございます。
 (2)通路や圃場の整備についてでございます。2回目でございます。庄名の農用地については,かつて何度か圃場整備をするだとか,通路の拡幅をするという話が出たんだけれども,立ち消えになってしまったという話を聞かせていただいております。今の答弁は,こうした整備のために使える補助制度があるということですので,それはぜひ具体化をしてほしいものでございます。国は農業問題を地域ごとに解決していくための人・農地プランの策定を義務づけました。これは農業が厳しい状況に直面している中で,集落,地域が抱える人と農地の問題をどう解決していくのかをそれぞれの集落,地域において徹底的に話し合い,計画を立てるというマスタープランです。春日井市におきましても,平成26年度に策定をいたしました。この,人・農地プランというのは,行政の各分野にありがちな理念的な計画ではなくて,実践的な内容であることが求められております。後継者の問題,土地の集約の問題を具体的に解決して,持続可能な力強い農業を目指すというものでございます。まさにこの農用地における圃場の整備も,人・農地プランの中で具体化することができるものでございます。このプランは毎年の見直しが図られておりまして,ぜひ検討会におきましては行政側から,こういう整備も行えるんだということを示して,提案をしてほしいと思うんですけれども,いかがでしょうか。答弁を求めます。

P.165 
◎産業部長(石黒直樹君) 大項目3,(2)通路や圃場の整備について,2回目の御質問にお答えいたします。
 市ではこれまでも農業者から効率的な営農のため,農地に農業用通路を築造したいなどの相談が寄せられた場合には,土地改良事業に関する補助制度を説明し,制度の活用を働きかけてまいりました。一方,人・農地プランの策定に向け開催している座談会では,今後の中心となる担い手やその確保の状況,将来の農地利用のあり方などについて話し合いを行っているところでございます。今後は,人・農地プランの座談会などの機会のほか,市ホームページへの掲載や農業委員及び新たに設置する農地利用最適化推進委員の地域活動を通して,制度の周知を図るとともに,JAなどの関係機関とも連携しつつ,優良な農地の保全を推進してまいります。

P.165 
◆23番(伊藤建治君) 大変力強い答弁でございました。制度の周知を図って農地保全に取り組むということでございます。地元の農家の方々といいますのは農業のプロではありますけれども,土地改良でありますとか,基盤整備のプロではございません。その具体化のイニシアチブというのは行政側の仕事だと思います。農家の方々の要望を聞き取っていただいて,そのための施策をぜひ具体的に提案をしていってほしいなというふうに思います。
 庄名町の農用地,それから小木田町の農用地,いずれもごくわずかでございますけれども,ことしはひょっとしたら耕作しないんじゃないかなという雰囲気の土地もありました。基盤さえ整えば,再び農地として再生が可能なところばかりでございます。農地といいますのは,私たちの命の糧であります食料の生産のみならず,降雨時の一時的な雨水貯留池であり,多くの命を育むビオトープであり,また美しい景観を担い,私たちの心に安らぎをもたらすものでございます。今のうちに本当に効果的な手を打てれば,ほんの少しの整備でこの農地はずっと守れると強く訴えていただいたということを非常に印象深く覚えております。早期の具体化を期待したいと思います。農業政策については以上でございます。

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