活動日誌−伊藤けんじ

【17.03.09】リニア新幹線工事は深夜3時まで!? 3月議会一般質問

坂下非常口、工事の概要が明らかに。

 リニア中央新幹線工事では、春日井市内に4カ所の非常口(工事のための立坑)が設けられる計画で、坂下非常口(上野町)の工事の概要が、説明会にて明らかにされました。

直径40メートルの巨大な立穴
 工事は約10年かかるとのことですが、最初の二年間は立坑の設置工事で、垂直方向、真下に向かって外径約40メートルの巨大な穴を掘る作業です。
 工法は丸い開口部に落とし蓋のように、すっぽりケーソンというコンクリートの蓋をして、蓋から下の気圧を上げ地下水の進入を防ぎながら掘り下げる、ニューマチック・ケーソン工法とのことです。

騒音や振動は?
 掘削した土砂をケーソン内部から外に出す際には、気圧差から音が発生するとのこと。
落し蓋のようなケーソン躯体は、自らの重さで徐々に沈降していくのですが、不定期に振動が生ずる可能性も指摘されています。

毎日、深夜3時まで
 工事は朝8時から深夜3時まで行うとのことですが、音や振動が生活に影響及ぶほどであれば、深夜の工事の中止も求めていく必要があります。

月に一回、600台のミキサー車
 月に一回程度、コンクリートの打設を行うとのことですが、一日に600台ほどのコンクリートミキサー車が搬入作業をするとのことです。交通への影響が出ることは必至です。

地下水への影響は
 地下水を利用している事業者からは、水質への影響やや枯渇を心配する声もあります。
 現場の状況を注視し、影響が少しでも軽減できるよう働きかけを行っていきます。

 

議事の概要

◆23番(伊藤建治君)  坂下非常口新設工事の工事説明会が2月に3回行われ,2019年,平成31年まで実施される立て坑の工事の概要が明らかになりました。これまで明かされていなかった工事車両の通行ルートもようやく具体的に示されました。発生土運搬の工事車両の通行ルートは,国道19号,国道155号,県道508号,県道199号を通るルートが示され,作業工程によってルートが変わってくるとのことです。ことし9月ごろまでは,坂下非常口工事現場から片側1車線の県道508号に出て,県道199号を経て新東谷橋から市外へ,残土の搬出先のある瀬戸から坂下非常口の現場へ戻ってくる際は国道155号を通り,出川町の交差点から県道508号を通り非常口へ,ことし10月以降は国道19号,国道155号を経て新東谷橋から市外へ,戻りは県道199号,国道19号を通るルートとのことです。
 これは複数の小学校,中学校の校区にまたがり,通学路ともなっている箇所もあります。説明会では,住民の方から,通学路にかかわる心配の声も出されておりました。発生土砂運搬車両は朝7時から7時半の間に場内に入場し,7時50分ごろから現場を出発するとの説明でした。この時間帯は,通学時間帯と重なります。出入り口には警備員を配置するとのことですが,瀬戸市内のように交差点で警備員が誘導するという説明はありませんでした。環境影響評価で実施された交通量調査では,現場にほど近い県道199号線で実施をされておりますが,今回示されたルート全体の交通状況を把握するには至っておりません。特に国道155号線は大泉寺町内では片側1車線です。その先,出川町交差点は事故防止を目的とした交差点改良により,慢性的な渋滞が発生をしていますし,その先,高蔵寺方面についても頻繁に混雑する箇所となっております。
 そこで,(1)工事車両の通行ルートについて,発生土砂運搬車両の安全対策と通学路が重なる小学校への対応,また通学路と交差する箇所における対応をどうする予定なのか,把握をしている内容を答弁願います。
 また,通行ルート上において,交通量調査を実施していただく必要があると考えますが,市の考えをお伺いいたします。
 工事車両については,コンクリート搬入のミキサー車についても計画が示されました。月に1回程度,1日に600台のコンクリートミキサー車による搬入を行うとのことです。往復換算をいたしますと1,200台のミキサー車が1日に現場を出入りをするということになります。発生土砂運搬車両の通行はピーク時でも100台程度と説明資料に示されておりますので,その6倍に当たります。ミキサー車の搬入による周辺への影響は免れないものと考えます。
 また,ミキサー車については,市内のどこを通ってくるのかは示されておりません。積載したコンクリートの打設をするという作業内容から,現場に入れる台数も限られることを想像すると,路上で待機をする可能性もあるのではないかとの心配があります。
 そこで,(2)ミキサー車の搬入について,道路の通行計画や待機方法についてはどのように説明を受けているのかお伺いをいたします。
 また,周辺への影響も大きいことから,ミキサー車の打設を行う予定日を事前に周知する必要があると考えますが,市のお考えをお伺いいたします。
 今回,2019年,平成31年までの計画で示された非常口の新設工事は,すなわち立て坑の設置工事で,垂直方向,真下に向かって外径約40メートルの巨大な穴を掘る作業です。工法は丸い開口部に落としぶたのようにすっぽりふたをして,ふたから下の気圧を上げ,地下水の進入を防ぎながら掘り下げるという方法,ニューマチックケーソン工法というのだそうでございます。開口部に落としぶたのようにはめ込むふたをケーソンと言います。掘削した土砂を搬出する際,ケーソン,すなわちふたにストローを突き刺すように設置をしたマテリアルシャフトの中を通して行います。土砂を運び出す際,マテリアルシャフト内に設けられる扉,マテリアルロックを開閉するとのことですが,外部とケーソン内部で違う空気圧になっておりますので,開閉のたびに音がするとのこと,その頻度は工事の初期段階においては10分に1度ぐらいで音の発生があるとのことでした。また,ふたであるケーソンについては,掘削をしてケーソンから下の土砂がなくなるに従って,みずからの重さ,自重によりどんどん沈降させていきます。直径約40メートルにもなる巨大な落としぶたがずるずると滑り落ちていくイメージです。東京外環道の工事において,同じ工法で工事を行った際には,地震のような振動が生ずることもあったとのお話をお聞きいたしました。生活環境にも影響するような振動が起きないか心配をしています。
 そこで,(3)ケーソン沈下時の振動やマテリアルロックから生ずる音についてです。これら騒音,振動について,どの程度の想定をしているのか,数値としてどの程度と説明を受けていますでしょうか,詳細をお伺いいたします。
 現場での掘削工事は朝8時から翌3時までとのことです。夜遅くどころか,明け方近くまで工事を行うという内容が明らかになり,大変驚きました。夜間は土砂の搬出など,工事車両の通行こそないものの,先ほど述べたケーソン沈降を伴う掘削作業やマテリアルロックを開閉して土砂を引き上げる作業は深夜にも行われます。
 (3)では,発生する音や振動について,数値についてのお尋ねをいたしました。環境基準の騒音レベル内におさめてくるであろうとは思っていますが,生活環境への影響を考えるに当たっては,基準以下だからオーケーと安易に言うわけにはいきません。とりわけ就寝時間である深夜においては,基準以下であっても安眠の妨げになる場合があるからです。私はこれまでも地元の工場などから発生する騒音について,市民からの相談を受け,環境保全課に間に入っていただいて事業者にお願いをして,音が出ないような対策をしていただいたという経験があります。基準以下であっても影響があるのであれば,こうした働きかけの必要性が出てきます。
 そこで,(4)深夜に及ぶ工事についてです。事業者側も騒音と振動の測定は実施するかと思いますが,住民が生活している場における音や振動の状況を市においても把握をする必要があり,計測の実施をすべきと考えます。そして,生活に影響が出るレベルであれば,深夜の工事の中止を働きかける必要があるかと考えますが,御所見をお伺いをいたします。

◎総務部長(坂野智君) 私からは,リニア中央新幹線工事のうち工事車両の通行ルート,それからミキサー車の搬入について,3点目がケーソン沈下時の振動やマテリアルロックからの生じる音の3点についてお答えをいたします。
 まず,車両通行ルートの小学生の通学に対しての安全配慮につきましては,JR東海からは,発生土を運搬するダンプは工事場所の前を通る坂下小学校児童の登校時間帯を回避して通行すること,現場出入り口に警備員を配置して安全誘導等を行うこと,ダンプが校区内を通行する小学校に対して,運行計画や運行に関する安全対策を順次説明していくことを聞いております。
 交通量に関しましては,交通センサスや現地状況を確認していると説明を受けておりますが,ダンプ運行後に交通量調査の実施が必要と思われる場合には,調査を実施するようJR東海に要請してまいります。
 次に,コンクリートミキサー車の待機場所は工事現場内に15台程度確保することから,路上で待機はしないと聞いております。また,通行予定日に関する情報は,市及び工事場所がある地元区に対しまして連絡すると聞いております。
 3点目についてですが,坂下非常口で用いられるニューマチックケーソン工法は躯体が少しずつ沈下するほか,ケーソンと周辺地盤との摩擦を計測して状態の変化を随時確認する体制をとるため,振動が発生する可能性は小さいと説明を受けております。
 また,マテリアルロックから生じる騒音は,事前の騒音評価で環境基準以下になるよう防音,消音対策を実施するとともに,騒音計と振動計を常時設置し,騒音等の測定値を工事敷地外から確認できる表示方法を検討していると聞いております。

◎環境部長(岩田尚也君) それでは,私からはリニア中央新幹線工事のうち,深夜に及ぶ工事につきまして回答させていただきます。
 JR東海からは,工事に伴う騒音,振動について,工事ヤード周辺で常時計測すると聞いております。市としましては,JR東海の計測状況についてデータ提供を求めてまいります。
 また,JR東海からは環境基準を遵守すると聞いておりますので,JR東海から提供される騒音,振動のデータについて慎重に分析してまいります。

◆23番(伊藤建治君) それぞれ答弁いただきましたので,一問一答で進めてまいります。
 まず,リニア中央新幹線工事について,(1)の2回目でございます。
 工事車両の通行ルートについてでございます。交通量調査が実施をされていない道路については,必要と思われる場合には運行中の調査の実施を求めるということでございますので,推移を見守りたいと思います。
 通学路への配慮でございますが,登校時間帯の回避,現場出入り口の警備員の配置,関係する小学校への説明を行うということでございました。土砂の搬出先の瀬戸市におきましては,ダンプカー通行路線の途中においても学校近くでは警備員を配置をして安全対策をするという説明がなされておりますが,春日井市についてはそうした配慮が薄いとも感じております。複数の小学校の校区を通行いたしますし,特に坂下非常口付近については複雑に工事車両が行き来をする計画となっておりますので,現場の出入り口だけでなく,せめて坂下町1丁目の交差点には常時,警備員の配置が必要と考えますが,市からも働きかけをする考えはないものかお伺いをいたします。

◎総務部長(坂野智君) JR東海からは,児童の下校時間に合わせ,工事現場の担当者が周辺道路で安全確認を行うと聞いております。ダンプ運行開始後には交通状況を確認いたしまして,警備員の配置等が必要と思われる場合にはJR東海に要請してまいります。

◆23番(伊藤建治君) (1)についてはこれで終わりにしておきます。
 (2)の2回目でございます。ミキサー車の搬入についてでございます。
 通行予定日については市と,それから地元区に対して連絡をするということでございました。周辺の国道,それから県道は幹線道路でございますので,地元の方以外も通行いたします。ミキサー車の搬入を行う日では,往復で延べ1,200台のミキサー車が通行するわけでございますから,その日一日周辺の交通がままならないような状況が生ずる可能性もございますので,地元の方に限らず,その情報は知っておきたいと思われる方は多いと思うんですけれども,市のホームページなどでその予定を周知をしていくというお考えはないかお伺いをいたします。

◎総務部長(坂野智君) 工事に関する周知につきましては,事業者が責任を持って行うことと考えておりますので,コンクリートミキサー車の通行に関する事前周知といたしまして,看板の設置やホームページの掲載などを実施するよう,事業者であるJR東海に要請してまいります。

◆23番(伊藤建治君) (2)の3回目です。
 ミキサー車の通行予定の事前周知というものを事業者が行うべきということでございます。要請するということでございますので,ちょっと推移はこれも見守りたいと思います。
 (3)の2回目になります。ケーソン沈下時の振動,マテリアルロックから生ずる音についてでございます。
 私ども2月に既に工事着工している町田市に視察に行ってまいりました。現在はまだ掘削前の現場作業を行っている段階でございましたけれども,工事車両の出入り口には大きな騒音計が設置をされておりまして,デジタル表示で道路の側からもその状況,リアルタイムにその状況がわかるようにされておりました。坂下非常口においても同じ対応がなされるものと思います。数字も見られるようにしてあるし,環境基準以下だったらそれでいいかといいますと,そうはならないのは音や振動の問題でございます。以前,私は一般質問でエコキュートとかのヒートポンプなどから生ずる低周波についての対策についての質問をしたことがありますが,幾ら基準以下であっても,その感受性によっては音や振動によって生活が乱されるおそれがあるということでございます。
 1回目で私は,市民が生活している場における音や振動を把握してほしいと述べました。ですから,事業者が現場で行う計測以外にも対応する必要があるのではないかということでございます。その上で,(4)深夜に及ぶ工事についての2回目になりますけれども,影響が確認されれば,多くの方が就寝されている深夜については工事をやめてほしいという働きかけをすべきと思うんですけれども,その点はいかがでしょうか。再度の答弁を求めます。

◎環境部長(岩田尚也君) 深夜に及ぶ工事につきましての御質問に回答させていただきます。
 周辺住民から騒音等に関する苦情が寄せられた場合は,現状把握のために現地調査を実施するとともに,JR東海に対しましては騒音の低減を図るように求めてまいります。

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