活動日誌−伊藤けんじ

【16.12.12】リニア中央新幹線工事について−12月議会一般質問

瀬戸市で説明会が開催、工事車両のルートが示される

 リニア中央新幹線の工事のうち、坂下非常口から発生する残土を搬出する先の瀬戸市において説明会が実施され、瀬戸市内のどこをダンプカーが通るのかというルートが示されました。しかしながら、現段階において、春日井市内についての工事車両のルートは説明されていません。

 説明会の予定等も示されておらず、今後の動向について質問をしました。

 以下、議事録からの抜粋です

工事車両の通行ルートや、工事説明会の日程について

◆23番(伊藤建治君) 
 議長の許しを得ましたので,通告に従い,一般質問を行います。
 1つ目の質問事項は,リニア中央新幹線工事についてです。

 ことし9月中ごろ,瀬戸市が瀬戸市議会に対して,中央新幹線工事(坂下非常口)からの発生土搬入に関してという文書にて説明を行っています。

 春日井市内で行われるリニア中央新幹線工事のうち,坂下非常口から出される残土を瀬戸市上陣屋町にある愛知県珪砂鉱業協同組合が採掘を行った跡地に搬入するとのこと,これについて,先月11月22日火曜日と28日月曜日の2回,瀬戸市の水野地域交流センターにおいて住民に対する地元説明会を実施しています。

 それらによれば,来年平成29年1月から平成31年中ごろにかけて,坂下非常口立坑新設工事を行う。土砂を運搬するダンプ台数は1日に片道最大100台で,その運搬ルートも示されました。本郷町,中水野駅を通過し,穴田町の交差点から残土処分地である珪砂鉱業の管理地に向かうとのことです。

 春日井市内においては,11月6日日曜日に上野区民に対して坂下非常口への工事車両の通行する工事用道路の設置の説明があったようです。その説明は,工事説明会ではないとのことで,主には工事用道路の取りつけ位置の説明であったとのことです。

 瀬戸での説明会の内容をそのまま受けとめれば,来月にも工事が開始をされ,ダンプカーが土砂を積載して春日井市内を通行することになるということですが,春日井市は工事の内容とスケジュールについて把握をしているものかどうか。把握をしているのであれば,その内容をお伺いいたします。これが(1)です。

 瀬戸での説明会では,瀬戸市内におけるダンプカーの通行ルートが明確にされています。工事車両に掲示する標識の図柄や運転手へ徹底させる内容など,具体的な運行方法についても説明があります。

 工事は春日井市内でも行われるものでございますから,これらの内容は,春日井市においても明示をされるべきものです。春日井市内のどのルートをダンプカーが通行するのかについて,春日井市は報告を受けているかどうか。把握をしているのであれば,その内容を伺います。これが(2)でございます。

 春日井市内におけます上野区民に対する工事用道路の説明の際には,工事説明会は別途案内するとの明示がありました。工事説明会は,非常口周辺地区のほか,通行する地域も対象とすべきですが,説明会の対象地域について市はどのように報告を受けているのか。来月着工の予定であれば,工事説明会は近日行われるものと思いますが,予定を把握しているのかどうかお伺いいたします。これが(3)でございます。リニア新幹線については以上でございます。

◎総務部長(坂野智君) 
 それでは,私からは,リニア中央新幹線工事についての御質問にお答えを申し上げます。
 まず,工事内容,スケジュールについてでございますが,坂下非常口新設工事に関しましては,今後JR東海と施工会社にて工事計画を策定し,工事説明会を行うことにより地元に説明していくと聞いており,具体的な工事内容や工事説明会のスケジュールについて,現時点ではまだ説明を受けておりません。

 次に,土砂搬出ルートについてですが,坂下非常口新設工事から搬出される土砂につきましては,工事用道路の設置や瀬戸市内へ運搬する計画以外に具体的なルートは何も聞いておりません。

 3つ目の住民への説明会につきましては,JR東海から,工事説明会は関係する住民に事前周知の上,実施していくと聞いております。

◆23番(伊藤建治君) 
 リニア中央新幹線工事について,(1)の2回目でございます。
 JRのほうは,説明会を行うことで明らかにするということで,工事内容や説明会のスケジュールは何も聞いていないという答弁でございました。

 適切な時期に必要な情報は春日井市に対しても説明があるものとは思いますけれども,既に瀬戸市に対しては,工事の開始時期だとか当面のダンプの台数,そして通行ルートは詳細に知らされているのに,工事を実施する春日井市に対しては,まだ何も知らされないというのが,非常に不思議な感じがいたします。

 工事の内容について,上野区民への説明や,既に工事が始まっている名城非常口の工事説明会の中で,気になる内容が口頭にて説明をされております。それが生コンクリートの搬入についてでございます。

 月に1回程度,生コンクリートの搬入の必要があり,コンクリートミキサー車が現場に入る。その台数は,1回につき500台から600台程度を予定しているということでございます。名城非常口でも上野区でも,当日配られました資料には,どこにもその記載がございませんで,口頭でのみその内容が告げられたということでございます。

 コンクリートミキサー車は,製造工場でつくられた生コンクリートを運ぶための車両でございますが,ウィキペディアなどで調べてみますと,生コンクリートは輸送中でも適度な攪拌を行わないと,骨材や水が分離し均一でなくなってしまうので,容器をゆっくりと回転させ,攪拌しながら輸送するのだそうでございます。つまり,搬送を終えるまでは動力が必要でございまして,その間はエンジンを切ることができません。

 坂下非常口の予定地は,広い敷地ではございますけれども,周辺では搬入待ちのミキサー車がエンジンをかけたまま路上駐車をして待機するのではなかろうかとか,敷地内にミキサー車が入れたとしても,先ほど申し上げたとおり,500台から600台が一度に搬入を行うということなので,アイドリングの音だとか排気ガス,その影響というのは周辺に対してすごいことになるんだろうなと,素人考えながらいろいろ心配が出てまいります。

 工事を始めるに当たっては,事前にこういう問題を春日井市や住民と話し合って,一つ一つクリアをしていく必要がございます。工事内容や説明会のスケジュール,何も聞いていないということでございましたけれども,こうした事前に対策を考えなければいけないことについての報告,相談についても一切ないのか。

 今,コンクリートミキサー車の搬入を例に挙げましたけれども,この件についても何も知らされていないのか,答弁を求めます。

◎総務部長(坂野智君) 
 コンクリートミキサー車に関する工事内容につきましても,今のところ説明は受けておりません。

◆23番(伊藤建治君) 
 この質問をするに当たりまして,高速道路の建設等に携わったことがあるという方にちょっとお話を聞きました。

 通常,工事を始める前に,このコンクリートミキサー車の搬入のための待機場とかというのは,自治体と相談した上で確保をし,その運行についても約束事を取り決めするという話を聞きました。

 本来であれば,こうした個々の問題について,一つ一つ春日井市だとか地元町内会,あるいは学校などと相談をしてコンセンサスを図っていく,あるいは対策を練り上げていくということが必要でありまして,それがJR東海の今やるべきことではないかと思います。

 JR東海がやるべきことではありますけれども,それらがきちんとなされなければ,迷惑をこうむるのは春日井市民でございますので,筋論からいけば違うのかもしれませんけれども,春日井市から,こういう手順を踏め,ここは説明不足だぞという働きかけはしっかりとしなければならないかと思います。

 (2)に移ります。2回目でございます。土砂搬出ルートについてでございます。
 工事が始まりますと,直ちに市民生活に影響が出るのが工事車両の通行でございます。土砂を積載したダンプカーが市内を走り回ることになるわけでございますので,瀬戸市内のダンプ通行ルートは9月21日にもう詳細に示されております。

 瀬戸市については詳細を明示して,春日井市には知らされないというのに,何か理由があるのかなと思うところでございます。工事の内容が知らされないまま,突然家の前をダンプカーが走り出すようで,不安は高まるばかりでございます。

 瀬戸市内の詳細ルートが示された段階で,春日井市からも,春日井市内はどこを走るのかという問い合わせを当然しているものと思いますので,その状況をお伺いいたします。

◎総務部長(坂野智君) 
 坂下非常口の工事の着工は,工事説明会の開催後になると聞いてはおります。
 工事車両の通行ルートについて,事前にJR東海に説明を求めましたところ,具体的なルートの説明はありませんでした。ただし,工事現場から幹線道路まで最短距離で出て通行するということは聞いております。

◆23番(伊藤建治君) 
 ルートの説明はなされていないということでございますが,1月にも着工と瀬戸市に対しては説明している以上,どこを通るのかということは,本市としても考えなければならないものでございます。

 幹線道路まで最短距離で通行するということでございますから,つまりは,主には幹線道路を使うことかと思うんです。搬出先は瀬戸市の珪砂組合と決定しておりまして,本市内で行われました11月の上野区民に対する説明で,坂下非常口から工事用道路を経由して国道19号へ出ることははっきりしました。

 春日井市から外に出る箇所は,新東谷橋ということも示されておりまして,おのずとどこを通るのかということは予想ができます。合理的なルートを想像しますと,坂下非常口から国道19号に出れば,ここからは名古屋方面にしか走れませんので,一旦そちらに走る。春日井インター東の交差点を左折して,国道155号を走行するのであろうなと思います。

 となりますと,春日井インター東の交差点を左折してからの約1キロ間は,片側1車線の狭い道路形状,そしてその先に出川の交差点がございます。この場所は,2013年に交通安全対策のために複雑な通行ルートの改良が行われまして,慢性的な渋滞に悩まされている箇所でございます。当面は1日に100台程度のダンプカーとのことですが,それでもさまざまな負荷がかかるものと予想できます。

 環境影響評価で実施した環境調査は,これらの場所では行っておりません。ルートが特定された段階で,そのルート沿線で環境調査を実施すべきだと思いますけれども,それらを行う予定をJR東海から聞いているかどうかという点,お伺いをいたします。

◎総務部長(坂野智君) 
 工事用車両の通行に当たっては,通行に伴います影響を低減するための対策を講じ,工事説明会で環境保全措置について説明するとJR東海からは聞いております。

 市としましては,住民への丁寧な説明と,不安や疑問には真摯な姿勢で対応することを要請しているところでございます。

◆23番(伊藤建治君) 
 住民への説明でございますが,市民生活への影響は,工事拠点となります非常口周辺だけでなく,土砂運搬ルート沿線全てに及びます。想定できるルート上,子どもの通学路になっているところなど,安全配慮が必要な箇所が幾つかございます。

 ダンプカーなどの工事車両は,決められたルートのみを走行するという縛りをかけることができても,それによって引き起こされた渋滞を避けて,一般車両が住宅地に入り込むということも起こってくるかと思います。これらのことから,JR東海による工事説明会は,沿線の町内会,自治会,学校関係者などに対しても実施する必要があります。

 JR東海は,関係する住民に事前周知の上実施していくと言っているとのことでございますけれども,関係する住民の範囲をどこまで想定しているのかがわかりませんし,もし非常口の近くでのみ実施すればいいと考えていらっしゃるようであれば,それでは不足をしておりますので,冒頭にも申し上げましたが,工事車両が通行するルート沿線で小まめにやるべきということは,春日井市のほうからもしっかりと要請をしていただきたいと思います。

 それから,説明会の日程,決まれば市としても市民に知らせるべきだと思いますので,こちらも申し上げておきたいと思います。リニア新幹線については以上でございます。

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