活動日誌−伊藤けんじ

【16.12.12】給食の食べ残しを減らそう!−12月議会一般質問

学校給食の食べ残し

 学校給食について、子ども達にあまり人気がなく、食べ残しが多いメニューがある、という話を関係者からお聞きしていました。半分ぐらいの量が、食べ残しとして戻ってくる事もあるとのことでした。

 「もったいない」という言葉は、日本語独特の言い回しの様で、海外にはこれに該当する言葉がないとききます。テレビのCMでも「もったいないお化け」が登場するなど、食べ物の食べ残しについても、大人から子どもへ意識的な働きかけが日常的にあった気がします。

 現在の、学校での食べ残しの発生状況と、「もったいない」をどう子どもに教えていくのか。取り組み状況と方向性について質しました。

 以下、記事録からの抜粋です。

食べ残しの状況、食べ残しを減らすための取り組み、食育

◆23番(伊藤建治君)
 学校給食について,子どもたちに余り人気がなく,食べ残しが多いメニューがあるというお話を関係者からお聞きいたしました。半分ぐらいの量が食べ残しとして戻ってくることもあるとのことでした。

 食べ残しの多いメニューのときに試食をしたいとお願いいたしまして,10月中旬に東部調理場にて試食をすることができました。麦御飯,筑前煮,イワシの煮つけ,キュウリと昆布のあえもの,そして牛乳という組み合わせ。具材の切り方,大きさ,火の通りぐあい,味つけ,いずれも丁寧に調理をされたことが伝わってくる料理でした。

 特に野菜については肉厚で弾力があり,新鮮で良質なものを使っていることもわかりました。材料はすばらしいものを使っていますと職員の方がおっしゃっていましたが,なるほどと納得をいたしました。

 この献立の中では,筑前煮が不人気とのことで,より注意深く味わってみました。子どもが食べやすいようにと少し甘みが強く,塩味は弱目の味つけでしたが,これがとてもおいしい。こんなにおいしく丁寧に料理されたものが,食べ残されてたくさん戻ってきてしまうとの説明に,やりきれない気持ちになりました。現場の調理スタッフや栄養士さんは,日ごろからこういう気持ちになっているのだと思います。

 私の家は裕福ではなかったことや,戦中戦後の厳しい食料事情の中を生き抜いてきた祖父母と同居をしていたこと,また農家で,米や野菜を苦労してつくっている姿を常に見たこともありまして,食べ物を残すということに強い罪悪感があります。今でこそ健康のために,塩気の強い漬物は控えたり,炭水化物を食べ過ぎないようにと気を遣うことも出てきましたが,残すことへの抵抗感は常に伴います。つまりは,知らず知らずのうちに食べ残しはだめだという食育を受けてきた結果とも言えます。

 こうした価値観は,家庭で身につけるものという側面もありますが,教育現場における食育の必要性も明確になっており,現状さまざまな取り組みがなされていることと存じます。
 そこでお尋ねいたします。

 (1)食べ残しの状況について。
 食べ残しの割合が高い献立はどのようなもので,残菜率はどれくらいか。また,食べ残しが多い献立の提供頻度はいかほどか。

 (2)食べ残しを減らす取り組みについて。
 食べ残しを減らすために,献立作成や調理でどのような工夫や取り組みをしているのか。

 (3)学校における食育について。
 学校給食を通じた食育への取り組み,学校現場ではどのように取り組まれているのか,それぞれお答えを願います。

◎教育部長(松原眞一君) 
 私からは,学校給食についての御質問に順次お答えをいたします。
 食べ残しの状況につきましては,本年度4月から9月までの食べ残し割合が高い献立は,エビだんごと野菜のスープ煮,卵汁,若竹汁で,ともに野菜の煮物,または汁物となっており,食べ残し率が3割程度で,他の献立における調理と比べてもやや高い状況にあります。
 また,提供回数はいずれもこの期間において1回でございます。

 次に,食べ残しを減らすための取り組みにつきましては,献立においては,過去の食べ残しを考慮しつつ,食品構成と栄養価のバランスがとれるよう,摂取基準などに基づき作成し,食材の選定においては,季節感や旬を考慮し,児童生徒が苦手とする食材は,使用する回数を多くすることにより,1回の使用する量を少なくする取り組みをしています。

 また,調理方法においては,児童生徒が食べやすいように食材の切り方を工夫したり,味つけは,濃い味つけではなく薄甘い味つけにしたり,また,湯通しをすることにより,苦みやえぐみのある食材の味を和らげるなどの工夫をすることにより,児童生徒の食が進む取り組みを行っております。

 次に,学校における食育につきましては,児童生徒が委員会活動として期間を定め,たくさん食べて食器を空っぽにする空っぽ運動の活動をしたり,教員が栄養の大切さ,食材をつくる人及び調理する人など,食に携わる人の大切さ並びにありがたさについて,給食をとりながら指導しております。

 また,旬の食材を使った献立及び郷土料理の給食の日には,校内放送を利用して,児童生徒みずから栄養などの説明及び郷土料理にまつわる話など,献立への関心を高めることにより,給食を通じて食育の推進に努めております。

◆23番(伊藤建治君)
 食べ残しの状況について,幾つかのメニューについての答弁がありました。野菜の煮物や汁物で食べ残し率が3割程度ということ,提供頻度は,今年度4月から9月の間でそれぞれ1回とのことでしたが,これだけでは食べ残しの状況がイメージしにくいので,私がお聞きした数字をお話しいたします。

 答弁があった期間とはちょっと別の期間になりますけれども,具体的には2015年度,平成27年度1年間の状況を調べさせていただきました。

 メーンとなるおかず,それからつけ合わせとなります副菜,それぞれで残菜を測定しておりまして,細かに申し上げるのは割愛をいたしますけれども,平成27年度の4月では,提供日15日に対しまして,メーンのおかずの残菜率が15%を超える献立の日数は,小学校では7日,中学校では8日でございました。5月では提供日18日に対して小学校で10日,中学校で8日,6月は提供日22日に対して小学校では14日,中学校では8日,7月では提供日数12日に対して小学校で実に9日,中学校では6日と,提供日数の半分以上が該当してきます。

 残菜率が50%近いメニューもございました。答弁いただいたのは今年度の状況でしたので,私が述べた昨年度とは細かな数字の違いはあると思うんですけれども,同じような状態で推移をしているものと推察をいたします。

 食べ残しの状況について,もう少し把握をしたいので,今度は主食であります御飯の食べ残しの状況,そして毎回つけている牛乳の返品の状況についても数字をお伺いいたします。


◎教育部長(松原眞一君)
 御飯,牛乳の食べ残し,飲み残しの割合につきましては,御飯は22%,牛乳は3%でございます。

◆23番(伊藤建治君)
 (1)の3回目です。
 牛乳については,予想していたよりもしっかり飲んでいるという状況がわかりました。しかし,御飯につきましては,22%の残菜率ということでございますので,これは正直多いなと思います。

 先ほど述べましたメーンとなるおかずの残菜率は,月平均にならしていきますと,高い月で24%,低い月だと6%程度で結構変動があります。ですから,献立の人気,不人気で左右されているのかなとか,気象状況が影響しているのかなということが推察できるんですけれども,御飯というのは変動要因が余りないものですから,大体同じ状況で推移をしているのかなと思います。

 なぜ御飯の残菜率が常に22%前後と高いのかと,その理由はどのようなものかがちょっと気になりますので,お聞きしたいと思うんですが,各学校に配膳というか,お配りをする際に,足りなくなって困ることのないように,もうちょっと余分目に配食をしているのか,あるいは必要量を計算して,きっちり配食をしているのに残ってしまうのかと,このあたりの事情もお聞きしたいと思います。


◎教育部長(松原眞一君)
 御飯の配食につきましては,栄養価の観点から必要量としております。また,食べ残しは食欲が落ちる高温で多湿の時期並びに献立の副菜で食べ残しが多いほど割合が多い傾向にあります。

◆23番(伊藤建治君)
 (2)の2回目に移ります。この食べ残しを減らす取り組みについてでございます。
 答弁では,必要な栄養素,栄養バランスとカロリーを計算して献立を立てて,御飯もおかずもそれに見合った量を配膳しているということになろうかと思うんですけれども,であるならば,この残菜率を見ますと,子どもたちが必要としている栄養素を十分とれていないということになってしまいます。

 野菜の切り方,味つけだけでなく,湯通しなどの一手間を行うなど,調理方法までも工夫しているということでございますし,実際に私は食べましたので,その丁寧な仕事ぶり,十分にわかる内容のものでございました。ですから,調理サイドでできること,やるべきことというのは十分になさっているなと思っております。

 となりますと,学校現場での食育を充実させることがますます重要なんだろうなと思いますので,(3)の内容に移りたいと思います。

 学校における食育についての2回目でございます。
 食育について,空っぽ運動だとか,校内放送を利用して生徒に栄養や郷土料理についても話をしてもらう取り組みをしているという答弁でございました。ただ,現状の食べ残しの状況から,この今の取り組みではまだ足りていないんだろうと思います。

 中には,子どもが喜ぶものだけ出せばいいのではないかという意見も耳にしたことがございますが,いやいや,それは違うだろうと思っております。食育といいますのは,さまざまな料理に触れ,食文化への理解を深めていったり,農業,漁業という生産者の仕事や,調理の仕事への興味を持ってもらったりと,さまざまな要素を含むものでございます。

 昨今,核家族化だとか,広がる子どもの貧困など,家庭での食文化は貧しくなりつつあるという指摘もございまして,なればこそ,学校給食は子どもたちが食文化を学ぶ極めて重要なツールでありまして,バラエティーに富んだものであるべきだと思います。その点で,私は春日井市の学校給食はかなりいいものが提供できていると思っています。足りていないのは,食に関心を持ってもらうための働きかけなんだと思います。

 ここで幾つか提案をいたします。
 まず,つくり手との交流をする機会を設けること。知らないうちに給食が学校に運ばれてきて,食べ終わったら食缶が回収されるだけでは,自動販売機やコンビニの商品のように,つくり手の存在を感じることができないと思います。どういう人が,どれだけの手間をかけて,どういう思いで調理しているのかを,ぜひ子どもたちにも知っていただければと思います。

 調理場の社会見学も実施されているとは思いますけれども,6年に1回程度の社会見学では,その理解は深まらないと思います。たびたび調理員さんに調理に使っている道具などを持って学校に出向いていただいて,子どもたちに話をする機会をつくってはいかがでしょうか。家庭で使っているものとは全く大きさの違う調理道具を見たり,どれだけ腕力が必要な重労働なのかを調理員さんの口から聞けば,その苦労がわかるものと思います。苦労を知れば,給食への関心は高まるものと思います。

 生産者との交流もしてはいかがでしょうか。田植え,稲刈りなどの体験学習をしている学校もありますが,こちらも6年間で1回程度で,特定の学年の行事の位置づけとなっていることが多いようでございます。

 春日井市にはまだまだ農地があり,生産者の方もたくさんいらっしゃいます。生産者の苦労や思いなどのお話を直接聞く機会をもっと多くつくり,日ごろ口にしている米や野菜がどのような人の手によってつくられているのかを知ってほしいと思います。

 子どもたちや学校の先生に残菜の状況を見てもらう取り組みもしてはいかがでしょうか。調理場の社会科見学では,調理工程を見学するのが主なルートと思いますが,回収された残菜の状況も見てもらい,もったいないと感じる心も育てていただきたいと思います。

 さらに,残菜の集計結果の数字を子どもたちや教職員に毎日見せることも必要だと思います。私がこの質問を取り上げるに当たりましては,残菜の集計表の数字を見て,ショックを受けまして問題意識を持ったというのがきっかけでございます。

 子どもたちや教職員にもそのリアルな数字を知っていただければ,同じような問題意識を持つのではないかと思います。数字だけではぴんとこない低学年に対しましては,円グラフにして残菜の状況を示せば,大人と同じように感じることができるはずです。

 4つの具体的な取り組みを提案しましたが,いかがでしょうか。ぜひやっていただきたいと思いますけれども,所見を伺いたいと思います。

◎教育部長(松原眞一君)
 食に関心を持ってもらうための働きかけとして,4つの取り組みの提案をいただきましたが,現状では,各学校において栄養指導等を行う教職員が食及び栄養の授業を行うとともに,児童生徒と一緒に給食を食べ,生産者の方との収穫体験を計画的に行うことにより,つくり手並びに生産者との交流を図っております。

 また,残菜の状況については,担任教員が残菜の確認を行い,適宜児童生徒に対する指導をするなどをしております。

 いずれにしましても,残菜を減らすことは,食育の観点から重要なことと考え,学校における取り組みをさらに努めてまいります。


◆23番(伊藤建治君)
 いろいろやっているよという答弁だったんですけれども,残菜の量は先ほど申し上げたとおりでございますので,私はそれでは足りていないと思ったので,幾つか提案をさせていただきました。

 提案した中身につきましては,他の自治体で取り組んで成果を上げている内容も含んでいますし,また,この他の自治体をまねることだけが正しいことだと思いませんので,ぜひさまざまなアイデアで取り組んでほしいとも思っております。

 私は,引き続きこの残菜の発生状況については調査をしたいと思っておりまして,さらに1年後の来年の12月議会では,同じテーマで質問をしようと思っていますので,ぜひ取り組みにチャレンジしていただいて,その経験や成果,あるいは,取り組んだけれどもうまくいかなかったというお話もお聞きできればと思います。

 食べることというのは,本来とても楽しいことでございます。おいしいものを口にすると自然に笑顔になれる。給食のつくり手は,子どもたちが喜んで食べている姿を想像しながら,日々お仕事に取り組んでいらっしゃいます。ですから,食べ残しを減らす取り組みも,重い課題ではなく,さまざまにアイデアを出し合いながら楽しく取り組めるものだと思いますので,ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

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