活動日誌−伊藤けんじ

【16.09.26】子ども条例の制定を −9月議会一般質問

春日井市の子育て関連の施策に「子どもの権利」の視点を

 春日井市は、本年3月に「子はかすがい、子育ては春日井」宣言をしました。この宣言は子育てするママが主役であり、ママの目線であり、ママの幸せを追求するというものです。現代社会において孤立しがちな母親だけにスポット当てたことは、たいへん斬新ですが、子育て施策を推し進めるにあたっては、子どもの幸福、という視点も欠かすことができません。

 かすがいっ子未来プランでは、「子どもにとっての最善の利益が尊重され、すべての子どもの健やかな成長につながることが大切です」と謳われ、その理念として「子どもは地域の宝、子どもも親もいきいきと暮らすまち」というスローガンが掲げられています。この理念の部分をもっと膨らませた、春日井市の子育て施策、子ども施策の骨格になるもの。子どもの目線、子どもの幸福、子どもの権利という部分から立脚したものを作ることが必要です。

子ども条例の制定を

 子ども施策に、欠かせないのは子ども目線です。子どもが生き生きと自己肯定感を感じて生きられるかどうかという視点です。その原点、立ち返るべき視点、理念、骨格となるべきが「子ども条例」です。

 子ども条例は、愛知県内でも多くの自治体で制定され、子ども施策の柱となっています。多くの自治体で子ども条例が制定されるに至った沿革は、「子どもの権利条約」が原点です。1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効し、日本は1994年に批准しています。この条約はその名のとおり、子どもの人権を定義し、それを守るための国際条約です。条約批准後、神奈川県川崎市を皮切りに、多くの自治体が、子どもの権利条約の内容を、自治体の子ども施策の基本的な理念として条例化することに取り組み、愛知県内でも、名古屋市や豊田市など、複数の自治体が制定しました。

 内容は、子どもに認められるべき権利を謳い、子どもの権利を保障する大人の責務を明らかにし、そのためにどのような施策に取り組むのかを示す、というアウトラインになっています。

 名古屋市の子ども条例に「子どもに認められるべき権利」として、書かれている条文の一部を紹介します。
命が守られること。
 かけがえのない存在として、愛情及び理解をもってはぐくまれること。
 健康な生活ができるとともに、適切な医療が提供されること。
 あらゆる暴力及び犯罪から守られること。
 あらゆる差別を受けないこと。

 ごく当たり前のことばかりなのですが、これらを行政施策と照らし合わせたときに、これは施策として具体化できているなという部分があったり、施策としてはやれていないなとか、まだまだ追求すべき内容だなぁとん感じる部分があったり、また、視点として押さえたい部分だなと、と気付かされる部分もあります。

 例えば、障がいを持った子どもへの対応であったり、子どもの貧困対策は、名古屋市の子ども条例に掲げた権利でいえば、「年齢及び発達に応じ、学び、遊び、及び休息することにより、のびのびと育つこと。」の具体化です。

 子育て施策、子ども施策の柱となるべき理念として、春日井市も子ども条例の制定するよう求めました。

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る
RSSフィード(更新情報)