活動日誌−伊藤けんじ議員団より

【15.02.26】3月議会 代表質問

伊藤けんじが代表質問

 毎年、第一回の定例議会では市長の市政方針が発表され、それに対する各派の代表者による「代表質問」が実施されます。ことしは伊藤けんじが代表質問を行いました。質問内容のみ、掲載します。

はじめに

 日本共産党春日井市議団を代表して、市制方針に対する質問を行います。

 私ども日本共産党春日井市議団は野党として、市政運営に対しては是是非非の姿勢で臨み、一般質問、質疑、予算要求などを通じて、政策提案を行ってまいりました。2014年度においては、水道料金の引き下げ、小中学校の普通教室への冷房設置の決断、浸水対策の実施などを進めたことに対して、率直に評価をいたします。今後も、市民要求に基づく政策を市政運営の基盤に据えられることを求めるものです。

 それでは順次質問を行います。

景気状況と経済対策

 最初に伺いたいのが、産業振興について。経済、景気のとらえ方を伺います。

 市制方針の中でも、「我が国の景気は、依然として不透明な状況」と述べられています。 いま、多くの国民や中小零細企業が直面しているのは「アベノミクス不況」とも言うべき、厳しい現実です。

 昨年の消費税増税によって、日本経済は深刻な状態に陥っています。経済の6割を占める個人消費は、昨年1年間、過去20年間で最大の落ち込みとなりました。労働者の実質賃金18か月連続でマイナス。雇用が増えていると安倍首相は胸を張りますが、増えているのは非正規雇用で、年収200万円以下の「働く貧困層」とも言うべき方々は、史上最多の1,120万人に達しています。

 安い労働者賃金のおかげか、一方で、大企業の内部留保資金額は増え続け、320兆円にも到達しています。トリクルダウン、大企業が儲ければいずれ労働者や庶民も潤うと言う理論が破たんしているのは、誰の目にも明らかです。

 増税以上の物価の上昇も、市民生活に大きく影を落としています。異次元の金融緩和。日銀が一万円札を印刷して、発行済み国債を買い戻す金融緩和で、日銀の国債保有額は二年足らずで、117兆3000億円も増加し、今年1月30日時点では243兆0331億円(長期国債206兆1918億円、短期国債41兆8413億円)。発行済み国債の約4分の一を日銀が保有という異常事態です。市場に現金をばらまいた結果、実体経済とは無関係に株価は上昇し、為替も連動し、物価が上がりました。中小零細企業の経営や市民生活を大きく圧迫しています。

 今議会にも国の地域住民生活等、緊急支援交付金を財源とした景気対策事業の補正が提案されています。このような対策も、もともとの景気悪化の根源となっている消費税の増税をはじめとする不公平な税制度や、労働者派遣法をはじめとした労働法制の問題を正さない限り、焼け石に水となってしまいます。

 これら景気が、春日井市内の企業や労働者にどう影響しているのか。市内の景気の動向ついて、市長の受け止めを伺います。また、本市における景気対策の取り組みについて考え方を伺います。

集団的自衛権について

 続いて、「安心安全な暮らしの確保」について、平和という観点から質問をします。今年は戦後70年の大きな節目です。

 国際社会での日本のイメージは「戦争をしない国」です。第二次世界大戦で地に落ちた日本の信頼を、平和国家として歩むことで回復させてきました。しかし安倍首相はここにきて、集団的自衛権行使容認の名のもとに、それを壊そうとしています。

 集団と言いますが、アメリカに追随することだけが想定されています。これまでアメリカは、国連決議とは無関係に世界中で一方的な戦争を仕掛けています。大量破壊兵器があるといって、イラクに攻め込んだものの、とんだ見当違いだったことは記憶に新しいものです。

 アメリカの立場を一方的に支持する立場をとることで、日本もアメリカと同一視され、攻撃やテロの対象になります。シリアでの人質事件はその危険性を、最悪な形で示しました。我が国をテロの脅威から守るうえでも、世界で活躍する日本人を守るうえでも、テロは許さないという立場を明確にするうえでも、集団的自衛権と称して、アメリカに肩入れすることは好ましいとは言えません。

 元防衛官僚で新潟県加茂市の市長、小池清彦さんは、日本を日本とは関係のない戦争に巻き込むとして、集団的自衛権に反対の立場を明確にしています。なぜ、兵を用い、血を流すことを好むのか。自衛隊員はたまったものじゃない。と述べています。

 いま、国民一人一人が、声を上げることが必要で、とりわけ自治体の首長が、市民の命を守るという立場から、その意思表示をすることが極めて重要です。一般質問でもやり取りがありましたが、その後の経過もあり、現時点での春日井市長の認識、平和行政に対するお考えを伺います。

地域包括ケアシステムについて

 地域包括ケアシステムについて伺います。
 厚労省は、高齢者が可能な限り住みなれた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、高齢者のニーズに応じて、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく提供すると説明しています。

 しかし、昨年夏に成立した、医療・介護総合法の中身は、その趣旨とは大きくかけ離れたものです。その狙いは、入院から在宅へ、医療から介護へ、介護から市場化・ボランティアへの3つのシフトによって、医療・介護の給付の抑制をすることです。今年4月には介護保険が改定され、要支援1、2の方々への給付が、介護保険から外されることが決まっています。さらに介護報酬は2.27%引き下げられます。地域の医療介護の仕組みが壊され、地方自治体がその責務を負わされます。これについて三点質問をいたします。

 地域包括ケアシステムは、在宅を基本、在宅ありきとしています。住み慣れた自宅で暮らせることは多くの人の願いでありますが、それを、医療や施設ケアを空洞化させる口実にはしてはなりません。その人の症状や障がいによって、必要な医療や介護は異なります。施設ケアが必要な方もいます。在宅ケアを進めるにしても、在宅生活を継続するに十分な医療、介護など社会サービスの質と量が確保されることが前提です。

 高齢者の要求と心身の状況から判断して最も適切なケアの場を保障すること。在宅、施設のいずれも選択可能なケアシステムが必要と考えます。見解をもとめます。

 特別養護老人ホームの待機者は全国で52万人をこえました。しかし、医療・介護総合法により、特別養護老人ホームの入居要件を介護度3以上とし、見た目の待機者を減らそうとしています。しかし、入居が必要な人の数が減るわけではなく、枠組みから外される、いわば介護難民を生み出すだけのものです。施設整備は今後も必要でありますが、どのようにお考えか見解を求めます。

 自治体が請け負う、介護予防事業や要支援1、2の方を対象とした地域支援事業について、今年四月から実施できる自治体はわずかに7%とのことです。春日井市においては、必要なサービスを後退させることなく提供できるのか伺います。

エネルギー政策について

 環境保全の推進について伺います。地球温暖化対策、低炭素社会の実現に向けての取り組みはいずれも必要なものです。再生可能エネルギーの導入や、節電についてのセミナーの実施とありますが、市が自ら、再生可能エネルギーの導入を拡大する必要も感じます。市長の自然エネルギーへの取り組みへの意気込みと、その理念を伺います。

 自然エネルギーへの取り組みは、低炭素社会を目指すと同時に、危険な原子力発電への依存から脱却するための基盤になるものであります。

 いま、国内に動いている原発は一つもありません。原発ゼロの状態で間もなく1年半が経とうとしています。福島原発の事故以後、国民全体で取り組んできている節電効果は原発13基分にもおよびます。九州電力をはじめとした電力会社5社は、電力余りにより、太陽光発電など自然エネルギーによる電力の新規受け付けを停止しています。

 原発はなくてもやっていけるということを、今の日本の社会が実証しています。しかし政府だけは原発再稼働に躍起になっています。ここにきて、福井県にある関西電力高浜原発の再稼働の話が急浮上してきました。福井の地で原発事故があれば、この春日井にも影響が及びます。

 福島では子どもの甲状腺がんが発症しました。原発は生命にかかわる問題です。市民の命を守る立場から、原発に対しては反対の意思表示をすることも必要だと考えますがいかがでしょうか。

リニア事業について

 環境保全という視点から、リニア新幹線にも触れます。
リニア中央新幹線事業の認可が下り、工事が着工されました。

 リニア新幹線事業は、甘い需要見込みを立てていながら、それでも絶対にペイできないと社長自ら発言。新幹線の3倍から4倍もの電力を消費し、原発の再稼働の口実にもなるもの。工事によって自然環境は壊され、人々の生活は電磁波におびかかされます。公費は使わないと言いながら、すでに543億円の税金が投入されており、建設用地の取得にかかわる不動産取得税と登録免許税も免除する。そもそも、40分で名古屋と東京を結ぶと言いながら、JR東日本には拒否されて品川どまり。おまけに乗り換えに20分もかかるといいます。便利ですらない乗り物です。

 春日井市は工事に伴う環境被害だけが予想され、市は毅然として事業者に対峙していく必要があります。具体的な話はこれまでも議会でやり取りしていますので、今日は市長の受け止め方と、対応するに当たっての考え方を伺います。

生活困窮者の自立支援

 生活困窮者の自立支援について伺います。新たな相談窓口の設置、住宅確保給付金の支給をするとのことです。依然として、先行きの見えない経済状況の中、こうした支援策は重要です。その詳細を伺います。また、春日井市の、生活困窮者の一時宿泊所として指定されていた旅館が廃業されました。これにともなう今後の対応について伺います。

小学校校庭の芝生化

 特色のある学校づくり、芝生化について伺います。
 今回の芝生化で、7校目となります。私ども日本共産党春日井市議団は2009年に、島根県安来市の校庭芝生化事業を視察いたしております。芝生化によって、子どもたちの学校生活が大きく変わり、生き生き元気に過ごしている様子をうかがってきました。グランド一面の芝生は、目の当たりにすると、その説得力があり、芝生化の素晴らしさを肌で感じることができました。

 これまで、春日井市はサブグランドの芝生化を実施していますが、そのノウハウを生かして、メイングランドの芝生化に取り組んでみてはいかがでしょうか。多少使い勝手は変わってきますが、これまでと同様の使い方は可能です。白線も引けます。さらに、それ以上に多様な使い方ができます。全国には先進的な事例も沢山あります。何より子どもたちの学校生活を様変わりさせることができると考えます。市長の考え方を伺います。

農業振興

 農業振興について伺います。農地の減少、農業従事者の高齢化、後継者不足をどう克服していくのかが大きな課題です。2014年は米価が大幅に下がり、生産コストすら回収できない状況が生まれています。市民農園など農地の活用も重要で、市の取り組みに期待していますが、既存の農業者が営農を継続できる支援も必要です。その点についてはどう考えているのか伺います。

災害の自助共助

 安心安全の確保についてです。市制方針では最初に自助、共助が強調されています。行政が果たすべき責務は公助でありますが、その前段としてまず、市民の皆さんが災害時にどう行動するかは、極めて重要です。いざという時に適切に動くために、市民行動マニュアルを策定し、市民一人一人が冷静に適切に行動できるように取り組むべきであると考えますが、どうお考えでしょうか。

空き家対策

 空き家対策について伺います。危険な放置廃屋については先ほどやり取りがありました。私からは、まだ活用が可能な空き家、空き室について述べます。市営住宅など、公営施設への入居を希望される方は依然多く、募集に対し倍率が高い状況が続いています。活用が可能な空き家、空き室について、売買、転用、流通促進という話がありましたが、これらを借り上げ、市営住宅として活用する考えはないか伺います。

まちづくり支援制度について

 まちづくり支援制度について伺います。閉会中の委員会で、制度の見直しが説明されました。住民の負担をさらに軽減することや、関係者全員の同意が取れなくても弾力的に取り組むことができるとのことで、より利用しやすい制度になるものと、評価しています。この制度は、区画整理など、複雑な手続きをせずとも、住環境に問題のある個所を効率的に改善することができる、優れた制度です。今後予定している地区はあるのか。大変優れた制度なのでアピールして、多くの地域で活用してほしいと思いますが、それについはどうか、伺います。

生活排水対策と公共下水について

 生活排水対策と公共下水について伺います。合併浄化槽への転換の補助拡充は、評価をいたしております。一方、公共下水道への接続への要望も根強くございます。今後の汚水処理については、浄化センターでの広域処理のみに限らず、地域条件や整備費用に鑑み、各戸に設置する合併浄化槽による方法、また、それを公共下水として運用するなど、多様な方法で考えてはどうかという話を、昨年もいたしました。公共下水路施設は、地震によって、処理施設や、管路のどこかが壊れると、広域で下水が処理できなくなってしまいます。これに対し、浄化槽はもともと災害に強い作りになっており、被災しても復旧が早いことも特徴の一つです。そうした視点も含めて、今後の生活排水処理の考え方について、所見を伺います。

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