活動日誌−伊藤けんじ

【13.06.04】愛知県が福祉医療予算削減を見送る

 愛知県が福祉医療予算削減を見送ると発表しました。

 福祉医療は、子どもの医療費、障がい者、母子、父子、高齢者の医療などを助成する制度です。愛知県は財政負担を理由に一部負担金を導入し、予算を削減する計画を進め、来年から実施する方向で調整を図っていました。

春日井市議会でも反対の意見書。県民の声で包囲。

 しかし、多くの自治体や医療団体から反対の声が上がりました。春日井市でも、市議会で意見書を採択しています。また、数多くの署名も集められ運動が広がっていました。こうした動きを受け、愛知県は議論を継続するとして実質的な見送りを表明しました。

なぜ、子ども医療費無料化が必要か

 私は、福祉医療制度には強い思い入れがあります。

 議員になった当時は、小学校入学前までが子ども医療費の対象でした。これを拡大したいという思いで、これについて一般質問でも何度か取り上げたことがあります。

 かつて僕が病院に勤務していた時(1995年ごろ)には、子どもの医療費は1歳までしかカバーされていませんでした。中学生の子どもがぜんそくの集中治療の点滴のために、毎日千円札を握りしめて通院してきた姿が目に焼き付いています。

 また、2007年の最初の選挙の時に、街頭演説をしていると一人の女の子をつれたお母さんがやってきて、「この子は難病のために、定期的な受診、投薬、検査のために、医療費の負担が大変です。子どもの医療費無料を是非拡大して欲しい」というお話をしてくれました。

 当時、子どもの医療費無料と言う話をすると、「そんなことは必要ない、そこまで子どもを甘やかさなくてもいい」という意見が少なからずありました。

 なぜ、子どもの医療費は無料にしなければならないか。

 難病や慢性的な病気と闘っている子どもを救うには、子ども医療費しかないのですね。

 病気と闘っている子どもたちは、難病だけに限らず、アトピー、喘息などのアレルギー疾患をはじめとして沢山います。当時も難病や重い病気は医療費の負担を補助する制度があるにはあったのですが、極めて認定のハードルが高く、認定されても期限付きというもの。難病でも慢性疾患でも、医療費の負担は大人と同じようにしなければなりませんでした。

 病気は子どものせいじゃありません。頑張って治療と向き合っている子どもたちに、せめて医療費の心配はしないで済むようにしたい。そんな思いで、議会でも何度か取り上げました。

 子ども医療費は、もちろん子育て支援としても大変重要な役割を果たしています。春日井市では県の補助に上乗せをして、中学卒業まで入院・通院とも無料にしていますが、これは、本当に優れた制度で自慢できるものです。

今後も守る努力が必要

 県が削減を打ち出したのはこれで二回目。前回も県民の運動や、市町村の努力で一年で撤回させました。今回は二の鉄を踏まないということで、県は周到に準備を進めてきましたが、これを押しとどめることができました。

 今後も、こうした動きは出てくる可能性はありますが、地方自治体がすべきことは何か、何が一番大事なのか、そうした問題提起をする中で守っていきたいと思います。

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